そろそろ本気出しますか。新車ラッシュ
不調にあえぐ日産。原因は商品不足。モデルチェンジサイクルが他社に比べ長いこともあり、どうしても競争力を失いがち。
これ日産も認識する所で、ゴーンさん時代との決別の意味を込めて2020年から新型車を続々と発表し、モデルサイクルの適正か、商品力強化に動き出しました。
クルマ屋さんはヒット車が出れば一気に状況が一変する世界。この方針転換は日産復活に欠くことのできないことでしょう。
とは言え、まだまだお金が足りません。
商品戦略の大幅な見直しは進んだものの、肝心の懐事情はあいもかわらず厳しい状況が続いています。
2020年4-6月のフリーキャッシュフローは8157億円のマイナス。手元資金から有利子負債を引いたネットキャッシュは6月末に2,352億円と3月末の1/4に目減り。
これって収入がほとんどなく出る一方ということを示唆しているようなもの。クルマが売れなければ実入りが少ない。当然のことですが、わずか3ヶ月で1/3まで目減りするとは図体のでかい企業は大変。
これではまるで国営企業じゃん。
このままでは資金が枯渇するとのことで、メインバンクのみずほ銀行に融資を依頼。その額が約1兆円。
とてもじゃないけど、みずほ銀行だけではこの融資には答えられない。その前に1兆円融資なんて、今の財務状態でよくそんなことが言えますねと呆れた様子。
てなわけで落とし所として5000億円融資となり、みずほに加え三菱UFJ、三井住友も協力する格好となりました。
みずほを除く2行は当初、乗り気でなかったですが、政投銀も融資するということを条件に渋々承諾しました。
政投銀にして見ても、国からのゴリ押しがあってこそ。そもそも乗り気ではありませんでした。
奇策!ホンダとの統合
日産が倒れてしまったら、関連会社数万社が共倒れ。数十万とも言われる人間が露頭に迷うのは政府としても避けたい。
という訳で、日産の再建には国がかなり関与しているようです。
融資の他にもホンダとの統合も検討していたというのは驚きました。
日産を破綻させてルノーの持ち株を消し、ホンダに救ってもらうというもの。
国産技術がフランスに取られてしまうのなら、選択肢の1つとして破綻も辞さないというもの。
ところがホンダには全くもって統合する気はなし。その意思表示としてGMの提携を強化。
独立性を主張していたホンダがまさか他社と協業するとはと最初は驚きましたが、裏にそんな事情があれば、GMとの選択はありえる話でしょう。
もうしばらくトンネルは続くかも
新車効果が出るのはもうしばらく先の話になり、もう少しトンネル生活が続きますが、ヒット車が出れば事態は好転すること間違いなし。
この苦難を乗り越えた先に、真の新生日産が誕生するのでしょう。頑張ってほしい