太陽光発電より安いって凄すぎ
エネルギーコストで言えば原子力が圧倒的に安いとことで、まだまだ原子力発電を諦めきれないといった感じの日本。
石炭を使った火力発電でコストアップとなり、どこの大手電力会社はヒーヒー状態。しかも二酸化炭素を排出しないとくれば、原子力発電はそう簡単には切り捨てることができない。
てなわけで、この中途半端な取り組みが仇となったのか、日本が逡巡している間に世界では自然エネルギーが進み、欧州、中国に先を越される始末。
欧州のエネルギー会社では、原子力よりも圧倒的に自然エネルギーの方が安いという結果も出ており、原子力の1/3のコストという事実にはビックリしました。
大英断。デンマークのエネルギー会社が自然エネに特化
デンマークのエネルギー会社オーステッドは、もともと石油・ガス生産と石炭火力発電をメインに事業を展開しており、自然エネルギーの洋上風力発電は傍流とも言っていい事業。
なのに、2008年に石炭火力発電の閉鎖を決め、自然エネルギーに注力することを決断。事業としては小規模でかつ将来性も予想できない。
外から見れば大博打にも見えますが、この思い切りの良さが吉となり、今では風力発電の世界では世界屈指の企業に上り詰めたというのですから、まさに大英断と言ってもいいでしょう。
とは言え、苦難の連続だったのよ
オーステッドの資金調達は、プロジェクトファイナンスという仕組みを使った資金は集めである種、政府系が出資するスキームなのでしょう。
2012年頃に各国政府が財政出動を絞込んだ時には、風力発電事業者がバタバタと市場から撤退していきました。
オーステッドも当然、資金繰りが厳しくなったものの退路を断っていたこともあり、この苦難をコストカットという手段で何とか乗り越えることができたのです。
約70%のコスト削減って。どんだけ管理がルーズだったのよ
まずコストカットの手法で選んだのが、小規模な風力発電スペースではなく、大規模なスペースを活用して風力発電を運用することに切り替えました。
確かにひとつに集約すれば管理コストも削減しますし、風力発電自体を躯体を大きくできるメリットも出てきます。これにより調達にはじまり、建設、運用、保守を見直した結果、2012年日で約66%のコスト削減に成功したとか。
これまでが、どんだけどんぶり勘定だったの?と疑いたくもなりますが、他社が追いつけないレベルの事を考えると、乾いた雑巾を絞るようなトヨタ顔負けのコストカット策が行われたのでしょう。
世界を席巻するかも。オーステッド産風力発電
ほぼぼほ世界トップの実績を手に入れたオーステッド。主戦場は欧州ではありますが、2018年には米国のエネルギー会社を買収するなど、米国進出を虎視眈々と狙っています。
2019年には台湾で大規模風力発電所の投資も決めました。
てなわけで、世界進出を加速させている感じのオーステッド。近い将来、日本にも上陸すること間違いないでしょう。
迎え撃つ日本企業は戦々恐々でしょう。が、これも脱炭素社会に向けた取り組みを一緒に実施していくパートナーとしてウェルカムスタンスで迎え入れて欲しいものです。
そうすることで、劣勢に立つ日本の自然エネルギーの立場も少なからずアゲアゲになることを期待しています。