馴染みのあるセロハン
セロハンと聞くと真っ先に思い出すのがセロハンテープ。小学校で出会い、社会人になった今でもお世話になる、あの文房具。透明素材で粘着性。
というわけで、生産する会社も多数存在すると思いきや、国内で生産している会社はたったの2社。過去には13社ほどいたんですが、技術革新の波とでも言いましょうか、セロハンに変わる新素材に追いやられてしまったのが現状のようです。
新種、プラスチックフィルムには歯が立ちません。
セロハンテープの他にも、飴玉の包装紙として使われていたセロハン。ねじって包んだ場合に勝手にほどけない。静電気を帯びにくく引き裂きやすいという特性があり、これまで何とか生き残ってきました。
これも全て価格や性能、生産効率に優れるプラスチックフィルムの台頭が大きいのですが、ここに来て状況に変化が生まれました。
素材はプラスチックじゃないよ。木材だよの驚き
素材となるセロハンはプラスチック製と思いきやさにあらず、木材を原料とするパルプを加工して作られています。つまり、プラスチックと異なりしっかりと燃えてくれるというもの。
ので、昨今のレジ袋に始まり、紙製ストローなどの脱プラの動きにマッチした素材とも言えます。
というわけで、にわかにセロハンの良さが再認識されつつあり、残った2社にとっては千載一遇のチャンスがやってきたと言ってもいいでしょう。
セロハンの逆襲、始まる
段ボール大手のレンゴーはセロハンの弱点でもある水に弱い点を改良。生分解樹脂と組み合わせることで耐水性を確保。
アパレルや化粧品メーカー、食品メーカーから引き合いが来ているとのこと。ネックはプラスチック性フィルムに比べ価格が高い点。ある程度の許容できる価格まで引き下げることができれば一気に需要拡大が見込めるかと思います。
続いてセロハンテープの大手ニチバンでは、セロハン素材がいかに環境に優れているかをネット上で猛アピール。自然素材で今の時代にフィットしていますよということを2021年6月から開始いたしました。
ちなみに世界の8割の生産量を誇る日本の2社。日本発の脱プラ素材として脚光を浴びる日が、そう遠くない未来に訪れるかもしれませんね。
とにもかくにもオワコンと思っていた事業が、再度見直されるのは良いこと。時代が変われば、いつかは需要が盛り上がる、そんな夢を感じた事例だと思いました。