とてもじゃないけど手が届きましぇん
確かOSがまだWindows95の時代でしたが、出張先でも仕事ができるようにとノートPCの購入を検討したことがあります。
東芝ダイナブック、シャープエビウス、ソニーVAIO、米IBMのTHINKPADなどなど。世界初のノート型PCということでダイナブックがいいなと思いましたが、20万円近くしたこともあり結局断念。結果的にお手頃価格のVAIOに落ち着きました。
といった具合に、僕にとってのダイナブックは高嶺の花という存在でしたが、今では採算性を重視して、個人向けは撤退し、法人向けの販売になっているとのこと。
VAIOも同じく法人重心の販売戦略だし、ノートPCは個人ユースよりも法人ユースの方が儲かる商売なのでしょう。
流浪の旅始まる。ダイナブック
粉飾決算などで経営不振となった東芝。各事業を売却して何とか存続の道を開きましたが、その中でノートPC部門も売却の憂き目に。
東芝にいた頃は、稼ぎ頭ということで重宝されていましたが、これも粉飾まがいによる偽りの数字。てなわけで、中の人も売却されてもさほど驚かなかったことでしょう。
その後、シャープ傘下に入り、社名をダイナブックとして再出発を図ることになりました。
VAIOも親から切り離され、どこの傘下にも入らずVAIOという社名で再出発。どこか似ているような感じがしてなりません。
コロナ禍で海外需要激増
日本に比べ、コロナ禍感染拡大防止が厳しい海外。ロックダウンとなる伝家の宝刀を振りかざし、外出は一切禁止という厳しい措置。
対象は大人から子供までと幅広く、就学生は皆、オンライン授業。
ということで、学生さん向けのノートPC需要が激増しました。このチャンスを逃さじとダイナブックは徹底的な営業攻勢をしかけます。
学校向けにノートPCを納入する代理店と次々と契約を結びます。中には恐ろしい短納期の依頼もあったようで、それらにも対応したことで大型案件を次々と受注したとか。
2020年度の海外の売上高比率の計画値を40%に設定。2018年度が約20%と考えると、2年で2倍にするというもの。かなり野心的な数字には見えますが、達成も夢ではない所まで来ているようです。
残念な国内販売
一方、日本国内と言えば、ロックダウンがないこともあってか、販売は低調で2020年度は対前年比でダウン。
国内でもGIGAスクール構想という、生徒一人ひとりに端末を行き渡らせるというのがありましたが、こちらはレノボに先を越されたようです。
規模で勝るレノボから世界中からノートPCをかき集めて対応したというのですから、相当なエネルギーを使って対応したようです。
ダイナブックの海外での奮戦ぶりもすごいですが、王者レノボも負けず劣らずの奮戦ぶりに頭の下がる思いです。
2021年上場します!
一時期の不振から脱した感のあるダイナブック。2021年には上場を目指しているとか。これが実現すれば真の復活と呼べるでしょう。
今後は親会社のシャープと連携して、IoT関連との連携を強化していくとも言われ、ますます法人色が強まるといった印象です。
数年後には法人もノートPCの買い替え需要が発生するでしょう。その時にダイナブックも選択肢の一つに挙げられるのか、いや挙がってほしいものです。
ちなみにウチの会社は、レノボ一択だったようです。と考えると、まずは代理店の開拓が必要かなと思った次第です。