社外取締役に翻弄される東芝。

東芝電機業界

粉飾決算で信用失墜の東芝のあれから

2015年に特大の粉飾決算が露見し、社会的信用を失墜させてしまった東芝。その後はと言えば、素人目には企業解体が進んだだけで、今なお立ち直りの途上といった感じにも見えます。

そもそも監視の役割を担う社外取締役は、ほぼほぼ機能不全状態。外部ということで必要な情報を与えられなかったのでしょう。

それを反省してか、監視機能の強化という名目で社外取締役の立場が強くなり、東芝が外部の人間に右往左往している状態なのです。

そもそも社外取締役制度とは何?

日本に初めて導入したのは出井さん時代のソニーだと記憶しています。欧米では当たり前の制度をイチ早く導入し、さすが斜め上をいくソニーを印象づけました。

その後、他の企業も追随していくわけですが、制度導入20年を経過したとて、上場企業4000社のなか、わずか89社しか導入していません。

なかなか日本には馴染みがうっすい制度とも言えます。

どうも、外部の人間に企業を乗っ取られてしまうというイメージでもあるでしょう。東芝の現状を見るとそう映ってしまうのも無理はないかなと思います。

漂流する東芝

東芝の取締役12人の中で、中の人は2名。残りはアクティビストを含めた社外の人。数の多い方の意見が通りやすくなるのも無理はないでしょう。

前体制で会社を3分割するが提示されたものの、今イチ反応がよろしくないと見るや今度は2分割を再提案。

が、これが臨時株主総会で否決され、現在では非上場化を探ることとなり、さらに混乱しているように見えます。

社外取締役には追い風。中の人には向かい風

社外取締役の数の多さもさることながら、2021年3月に施行された改正会社法も影響しています。

こちらの法制度は、一定の条件下で取締役会が社外取締役に業務執行を委託できるというもの。

さっそく、社外取締役達は、この法制度をフルに活用し、株主還元を最優先する方針を示し、お金を捻出するために、空調子会社を売却。エレベーターや照明も売却対象となりましたが、それはやり過ぎという声でもあがったのでしょう。ひとまず中止となりました。

目先の利益優先。長期的経営指針が欠如?

社外取締役には物言う株主、アクティビストも含まれており、彼らの声が大きいのか、経営の立て直し策がどうも目先の利益優先にしか見えません。

当初、経営の監視に留まっていった社外取締役ですが、今では経営にも口を出していくまでに発展。

良き方向に進めばいいのですが、東芝のような残念な結果に陥ることもあり、選出にはかなり難しい。

とにもかくにも早く東芝には復活してほしいと思った次第です。

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