中国、韓国勢にやられっぱなしでいいのかに危機感。欧州勢
欧州で販売されるEVの中で、人気の中国、韓国産。クルマの歴史も長く、見る目に肥えた人が多い中で選ばれるというのは、一昔に比べると、さぞ品質も向上しているのでしょう。
ので、品質も許容範囲で、かつとてつもなく安いという理由で中国製、韓国製のEVが選ばれているのです。
この安さは、ズバリ充電池をローコストで生産できているからでしょう。
これに危機感を感じているのが欧州の国々。このまま中国、韓国勢に充電池市場を奪われてしまう。
というわけで、国を挙げて充電池生産に力を入れ始めました。
国からの特命を受けたスウェーデンのノースボルト
欧州委員会が白羽の矢を立てたのはスウェーデンの新興企業ノースボルト。2016年と創立して間もないですが、創業者は元テスラで電池周りに長く携わっていた人。これが決め手となったのでしょう。
欧州投資銀行から融資契約を結んだ他、VW、BMWなどの自動車メーカーからも資金調達を得ているほど、いかに期待されているのが伺えます。
ノースボルトの肝はリサイクル工場の併設
スウェーデン北部に建設中の工場は、水力発電由来の電力を利用し、60GWの電池セルを生産できるとのことですが、最大の特長は電池の生産工場に加えリサイクル工場も併設されている点。
将来的には電池生産に必要な原材料が枯渇するとも言われており、テスラが原材料の採掘にまで手を出すのは、その危機感の現れと言ってもいいでしょう。
このリサイクル工場では、電池生産60GWと半分にあたる12.5万トンのレアメタルの回収を計画しており、かつ100%のリサイクル電池の開発にも目処が立ったとか。
米レッドウッドも電池のリサイクルを行っていますが、こちらは原材料のリサイクルまでで、それを他の電池メーカーに外販するというビジネスモデルです。
100%のリサイクル品は技術的にも難度が高いという話も聞きますし、ノースポールトの技術力の高さが伺えます。
国を挙げての電池生産
欧州が国を挙げて力を入れているのを見ると、日本も国と民間が共同しながら、進めていかないと将来的にはパソコンの二の舞いにならないかと心配でなりません。
アジア、欧州、そして米国の力が均衡している時は良いですが、このバランスが崩れた時には日本にとっては不利になるでしょう。
国内でも確か日産がリサイクル事業を開始したようですし、生産とリサイクルの両輪で事業を育成していくことが急務だと思った次第です。