外食産業が抱える負のスパイラル
脱サラして、飲食店を始めたなんて話はよく聞きますが、開店から3年を待たずして閉店してしまうお店が多いことを考えると、いかに厳しい業界であることがわかります。
そもそも外食産業は参入障壁が他の業種に比べて低い。ってことは常に新参者と戦っていく必要があります。
で、これが外食産業の抱える負のスパイラルと言ってもいいでしょう。
特許で守られていないというのが厳しい
例えばタピオカが大流行してから、瞬く間ににタピオカ店が激増したことは記憶に新しいと思います。
最初に目をつけた人にとっては、ほぞをかむ思いでしょう。リスクを背負いながらも、認知度の低い商品にあえて手を出し成功を収めた。第一人者がどんだけ苦労しても2番手以降はお構いなし。
ヒットしたという道にのかるだけですから、苦労もロスも少ない。それが鬼のように増えてくると今度は不毛な価格競争になるわけです。
価格競争のしわ寄せは働くスタッフに
不毛な価格競争で、一番割を食うのは働く人達。経営者としては値下げを吸収するため、人件費の削減に手を出します。本来なら3人で回していたオペを2人にしたり、長時間労働を強要したり。
これが結果的にブラック企業のレッテルをはられるようになり、企業自体が大きな損失を被るわけです。
同時性の制約というのも外食産業の構造的問題
外食産業の場合、作り手と消費する側がほぼ同タイミングです。突き詰めれば作り手が揃っていないとお金を回収できない。売上が立ちません。
とは言え、消費側が常にお店に訪れるかと言うと、そうでもない。事前に来店することがわかっていれば、それに併せてスタッフ揃えることはできます。
ので、閑散期にも人を揃えておかなければならず、これがどうしてもロスになってしまいます。コレまでの経験を活かして、ある時間帯、ある時期は客足が鈍るから人を減らそうというのはありますが、限界があります。
まとめ
このように構造的な問題を抱える外食産業ですが、コロナ禍により店内飲食ではなくデリバリーという新たな道がひらけたというも事実。
過当競争の面はデリバリーとて払拭できませんが、同時性の制約という点ではかなり解消されると思います。
接客スタッフは必要なく、厨房のスタッフが揃ってさえいれば何とか店を回すことができます。また注文数もこれまでよりも精度が高まり、繁閑期も把握しやすいのかと
コスト調整がうまくできることで、本来のメニュー開発にも力を入れることができ、オリジナリ性の高い商品を開発できる機会も増えるかもです。
これが実現できれば、競合が多くても差別化を図ることができ、生き残ることができるのではないかなと思った次第です。