風力発電の受難。地元の理解が得られるのかが肝

風力発電エネルギー業界

海外に比べ遅れが見られる風力発電

ウクライナ危機による記録的な価格上昇を示す電気代。思わず二度見してしまうほどの上げ幅に驚くこともしばしば。

石油、石炭由来の発電が電気代高騰の主要因ということもあり、原子力や太陽光、水力、風力といった自然エネルギーも注目が集まっていまるのは自然の流れでしょう。

自然エネルギーの中では、太陽光発電は広く普及していますが、風力、水力はまだまだといった感じ。

中でも風力発電は、海外に比べると大きく遅れを取っているようにも見えます。

遠浅エリアが多い海外では洋上風力の開発が進んでいるものの、日本はそのような地形が少ないこともあり、洋上よりも陸上の風力の開発が進んでいます。

とは言え、建設に至るまでには相当ハードルが高いようです

水質汚染が心配。徳島県の風力発電

市販のミネラルウォーターよりも水質がきれいとは言われる徳島県の海陽町。その水源ともなる海部川の上流に風力発電の建設することとなり、水質汚染が懸念されるとのことで、開発中止に追い込まれました。

陸上発電と建設は自然破壊のリスクもあり、環境に配慮したエネルギーなのに一方で自然に対してよろしくないことも発生してしまうのが風力発電。

この矛盾を解決しない限り、洋上風力も厳しいでしょう。

相次ぐ開発断念。陸上風力の受難

徳島県海陽町の他にも、高知県での陸上風力建設も景観への懸念、そして十分な風量は得られないということで中止に追い込まれました。

他にも東北では関西電力が計画した案件と日立造船が計画した案件も中止となりました。

このように自然破壊や景観などによる影響が陸上風力もなかなか進まない要因とも言えます。

そんな中、建設にこぎつけたのが、福島県阿武隈地域の洋上風力。建設に至るまで8年の歳月を経たとのこと。中の人いわく、相当な苦労があったとのこと。

建設後も、地元企業と納入企業でもある東芝がメンテナンス業務を行うということで、運用後の体制もきっちり整っているようです。

とにかく成功事例を作り続けるしかないかな

風力発電のシェアは国内エネルギーの中で、わずか2%。ウチ、陸上風力は2030年度には現在の4倍を計画しているとのこと。

自然破壊が懸念される中で、いかに地元住民の納得得られるかは、成功事例を増やしていくことしかないのかなと。

そういった意味でも福島県阿武隈地域の成功が鍵を握るのではないかと思います。

ウクライナ情勢が早々に収束に向かうということは考えにくく、自然エネルギーの必要性も今後さらに高まっていくことが予想されます。

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