社外取締役の変遷。ボード3.0

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ボード1.0とは

第2次大戦後の1950-1960年代頃の企業は小規模な組織体で、この時代のボードの中心は創業者に親しい銀行や友人などでした。

事業が失敗すれば、自分たちも損をするということで、それはそれは力の入れようは半端なく、財務省表や製造現場に丹念にチェックし、創業者に対して色々と助言してきたわけです。

これが株式を公開し、第三者から資金提供を受けるようになるとボードメンバーにも変化が起きました。

ボード2.0とは

1970年代頃には企業も大規模化して、ボードメンバーに外部の人間を招聘する動きが活発化。白羽の矢が向かったのは業界とは無縁の弁護士や公認会計士でした。

彼らは本業をしながら取締役を兼任するということもあり、腰掛け状態と言ってもいいい状態。会社からも必要な情報を与えられないこともあり、本腰入れてさらに成長させていこうという気持ちにもならなかったのでしょう。

本来の経営の監視役が機能不全に陥ったのも、無理はありません。

ボード3.0とは

この機能不全の反省からか、ボードメンバー選びも事業に関係のない人を招聘する形から、知見・ノウハウを補う人を選出する形に変化していきました。

環境ノウハウが乏しいエクソンが、同業他社とは言え、ボードメンバーに招聘したのも、その最たる例と言ってもいいでしょう。

ボード3.0の主役はアクティビスト

会社をさらに成長させていくために、今ないピースを外部に求める。この発想はボードメンバーに名を連ねるアクティブビストからのものが多く、彼らも短期の利益よりも長期の利益の方が儲かるという意識変化があったからでしょう。

短期利益で巨万の富で有名なビル・アックマンが、長期的に視点に立った投資に変心したことも大きく影響していると思います。

ジョブズの先見の明はやっぱりすごい

その道のプロを招聘し、成長加速させようとするボード3.0ですが、まだボード2.0まっさかりの時代に、ボード3.0の動きをしたのがジョブスでした。

マッキントッシュ時代、マーケティングに長けた人材を外部から引き抜きCEOに据えました。

一生砂糖水を売るのかという口説き文句はあまりにも有名ですが、こうして足りないピースを補い、あの伝説のCMが出来上がったのでしょう。

が、その後、自分が招き入れた人物により会社を追われるようなことになるとはジョブズもさぞ驚いたことでしょう。

とは言え、この時代からジョブズを先見の明はずば抜けており、あらためてジョブズを凄さを感じました。

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