そもそもジェネリックとは
もともとあったお薬の特許が切れたお薬のこと。有効成分は一緒で臨床試験は必要なものの開発品は1億円と通常のお薬も安く上がる。結果、最終価格もお安く済む。
という認識ですが、とは言え、安く上がるとは言ってもジェネリックメーカーは相当な苦労の末、コストダウンを図っています。
多品種少量生産。加えて薄利?
ジェネリックメーカーの特長として、取り扱いお薬の数がとてつもなく多いという点。生産ラインもかぎられている悪条件の中、お薬を作るごとに都度ラインの大掃除が発生。生産効率を格段に落ちる。ということは製造コストも通常よりもかかっている訳です。
ので、他社が業務停止中だから、今が好機とばかりに増産という手も打ちにくいというのが実情です。
薬価という縛りがきっつい
薬価とは、健康保険組合などが医療機関や薬局に支払う薬の価格ということで、こちらはお国の方で決められており、通常よりも5割が相場。過去には7割、8割でしたが、締付けが厳しくなっています。
加えて、年々薬価は見直され、これまで2年に1回だったのが、1年毎に変わり、ジェネリックメーカーの利益は削られる一方なのです。
小売側の要求もシビア
ジェネリックメーカーのお薬を扱う調剤薬局でも、これまたシビアに価格をチェックしているようで、お国が設定した薬価を下回る金額を要求することもあります。
ジェネリックメーカー側も、お薬一つ一つではなく、通常のお薬も含めまとめておいくらという総価取引に持ち込み、その際にジェネリックが値引きの原資として使われるようです。
製造コストは馬鹿にならないことを考えると、ほぼ収支トントンか赤字覚悟で取引されているのでしょう。あ
そう簡単に撤退できないという縛り
製造コストも高く、販売価格も年々下げられ、現場では値引きの原資として使われているジェネリック。ならば、撤退して通常のお薬づくりだけに専念すればいいじゃんと思いますが、これまたお国からの縛りがあるようです。
安定供給というお国からのお達しもあり、最低でも5年間の生産継続が義務付けられています。とは、その5年間というのも不採算であろうと認めませんという厳しいもの。
ジェネリックが始まった頃に、早々に撤退して売り逃げした企業が多かったことでルールを厳しくしたようです。
まるで一昔前のコンビニに似たような感じ
てなわけで、退路を絶たれたジェネリックメーカーは、新商品を矢継ぎ早に投入して、そこから得た利益で、古参で生じた赤字を穴埋めするようになりました。
これって、一昔前のコンビニを見ているようで、新規出店の売上げで既存店の不振を補うと似ているかなと思った次第です。
まとめ
てなわけで、一見おいしいビジネスにも見えるジェネリックですが、実態はかなり厳しいようで、この状況が続くと、撤退する企業も今後も増えていくのかなと。
供給不足をきっかけに制度そのものの見直しも進められているようで、良き方向に改善されればと思った次第です。