いよいよ日本も本格化、カーボンクレジット
カーボンクレジットとは、二酸化炭素の排出量を売買する仕組みで、海外で広く普及していますが、ここ日本ではようやくと言った所でしょうか。
国主導で「J-クレジット」という仕組みを作られたので、これからが本番と言った所でしょう。
カーボンクレジットとは言っても色々種類があるみたい
カーボンクレジットとは言っても、いろいろと種類があって、一般的に普及しているのが、排出量を売買するもの。
それとは別に空気中の二酸化炭素を直接回収するというものがあります。
で、三菱商事はこの両者を取り扱っています。
カーボン・オフセットが農家の収入源に。
トレードタイプのカーボン・オフセットでは、農家さんにもその仕組を導入したことで、新聞などにも取り上げられました。
仕組みは、稲作の過程で田の水を抜く「中干し」でクレジットを生むというもの。一般的に2-3週間と言われていますが、この期間を伸ばすことで、メタンの発生を3割ほど減らせます。
この分を売買することで、農家さんの収入にもなります。
収穫量が減ってしまうという不安もあることから、削減分を捻出するにあたり、損しないよう、しっかりとしたサポート体制を構築されています。
さすが三菱商事と言ってもいいでしょう。
大気中のCO2を直接回収という新手のカーボンクレジット
もう一方の、二酸化炭素を直接回収するカーボン・オフセットは、将来性は期待されるものの、コスト面でまだまだ課題があるとか。
二酸化炭素削減量1トンあたりのコストが、植林や森林再生の場合、5-50ドル。一方の直接回収は300-1000ドルとも言われ、現状ではかなりのコスト高となっています。
ので、他の仕組みも組み合わせたセット売りという形で、200ドルまでに下げて販売を行う計画を立てています。
仲介業で稼ぐ気なし。新しい商社の形
トレード方式と二酸化炭素直接方式と様々なカーボン・オフセットで仲介役を担う三菱商事ですが、仲介業で稼ぐというのは毛頭ないようで、新ビジネスの発掘のためのようです。
二酸化炭素直接回収方式では、その道の技術で業界をリードする米国の企業との接点を強化できたとのこと。
将来的にはここで得た技術や人脈、ノウハウを駆使して、より大きなプロジェクトに投資していこうと考えているようです。
ってことは、将来の飯の種づくりに、儲けの少ないビジネスを愚直に推し進めているといった状況なのでしょう。
資源高で我が世の春を謳歌する商社ですが、次のビジネスの育成にしっかりと取り組んでいる姿勢にあらためて関心した次第です。