始まりは商社から
東レの歴史をさかのぼると三井物産に行き着く。当時、英国からレーヨンを輸入販売していて、その国内生産を目指そうということで設立されたのが東洋レーヨン。これが東レの始まり。
100年企業デュポンと提携。
デュポンがナイロンを発明すると技術提携を結び、独占販売権を取得。んで、欧米向けに大量に衣料品を販売していたのだけれど、これが貿易摩擦までに発展し、大騒動。
雌伏の時となる80年代
貿易摩擦を解消すべく輸出規制をかけられ、さらには石油危機、プラザ合意などの円高不況がかさなり苦しい時代を過ごすことに。これって時間軸で見ると10年近くの話で、よくぞ持ちこたえたというのが正直な感想。普通なら撤退も考えるだろうけど・・・
海外進出で勢いを取り戻すも・・・
国内不況で後がないという危機感から、海外進出を加速。生産拠点を東南アジアを中心に展開。が、1997年のアジア通貨危機で大打撃を被り、さらには中国の台頭。初の赤字に陥ることに。とは言っても、2000年代まで黒字を出し続けていたというのは凄い。
ライバルが次々と撤退
帝人、デュポンなどが次々と繊維事業が撤退するも、1人踏ん張る東レ。徹底的なコスト削減を図り、この難局を乗り切り、黒字に回復。最後の総合繊維メーカーという地位を手にいれることに。
残存者利益を享受
原料から、生地・染色・縫製まで手がけるメーカーは今や東レだけ。東レに並ぶ繊維会社は他にいない。何度も苦境に陥るも、強いハートで乗り切った先には幸運が待っているといった感じ。普通なら撤退、売却ってなるんでしょうけど。赤字事業はすぐ撤退という世の風潮に一石を投じる好事例だと思います。
日経ビジネス NO.1763
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