激しく貧困
場所はフランス。時は1977年。チャップリンが亡くなった年。で、この作品は事実に基づいた話。チャップリンの遺体を誘拐し、身代金で貧困から脱出するぞというお話です。平たく言えば。
タイトルにチャップリンを冠しているだけにシリアスというよりもコメディタッチで描かれているので、題材としては暗い感じはしますが、んなものは微塵も感じさせません。
移民は大変だよ。
本作品の主人公はアルジェリアからの移民家族。トレーラーを改装したお家が住まいでテレビもない。加えて妻は重病で入院中。旦那も電気工事のスタッフっぽく天気に左右されやすい仕事で収入もカツカツ。
娘が将来獣医になりたいと言えば、ウチは大学に行かせるお金はないから諦めろと小学生の娘に厳しい現実つけつける
加えて奥さんの手術代を銀行に借りようと思ったら、返済できる力がないので無理ですときっぱり断れる有様。
1977年と言えば今から30年以上前の話ですあ、移民がフランス国内で暮らしていくのがいかに大変かが垣間見えました。
真面目なパパも豹変
真面目が取り柄のパパでしたが、妻を助けたいという一心で、とうとう悪の道に進むことを決意します。それがチャップリンの遺体誘拐です。
そもそも一般人が簡単に侵入できちゃう場所にお墓を作るというセキュリティの甘さはありますが、当時は平和だったんでしょう。
一般人があっさりと入って、しかも簡単に掘り返しちゃうことができるんですから。
んで、難なく遺体誘拐に成功し、身代金を要求するのですが、それがまるでコントで・・・
フランス語でバレバレ
まず犯人の彼ら、英語が喋れない。
で、チャップリンの奥さんは英語で喋ってくる。
となると話が噛み合わないんですね。
となると、相手を変えろだとか、フランス語を喋れる人間を出せとかで、必要異常に話が多くなる。
結果簡単に逆探知されちゃうんです。間抜けです。
他にも、証拠を見せろと写真を要求され、撮った写真が夜なもんだから、何が映っているかわからない。
こんなドジっぷりが連発する訳で、最終的には捕まるのですが、しばらく迷宮入りとも言われていた事件で、バカとハサミは紙一重というのはまさにこのことかと思った次第です。
泣けるぜ、チャップリン
結局彼らは逮捕されちゃうわけですが、裁判の席で弁護士が、彼らは十分に不幸を被ってきたと。なので、許してあげたらどうですか。
結局彼らは刑務所にぶちこまれることなく、しかもチャップリンの奥様から奥様の入院を肩代わりしてくださりというハッピィエンドとなった訳です。
チャップリンからの贈りものという意味がやっとわかりました。