ブラック企業のレッテルは今は昔
数年前に、牛すき鍋定食の乱とし世間を騒がせたあの事件。
あまりにも工数のかかるメニューで、スタッフからは非難轟々。これをきっかけに多くのスタッフがすき家を去っていきました。
この事件以降、すき家は深夜営業の停止を余儀なくされ、しまいにブラック企業のレッテルをはられてしまいました。
悪いイメージがつくと、業績にも影響し、某居酒屋チェーンでは、未だその後遺症に苦しんでいます。
すき家は、この一件を機に、働き方改革を推し進め、短期間で業績を急回復。まさにV字回復とも呼べる復活を成し遂げました。凄いです。
飲食業の深刻な人手不足の中、復活
2016年8月、いわゆる飲食業などの接客・給仕業の有効求人倍率は何と3.55倍。全業種平均が1.37倍であることを考えるととてつもなく突出していることがわかります。
それなりの時給、待遇の良さを売りにしないととてもじゃなけど人が集まらない。
コストアップにも目をつむるしかない状況。
が、このような逆風の中、すき家を展開するゼンショーホールディングスの業績は、前期比2.7%増の5257億900万円、最終損益40億円のプラス。前の期が111億円の赤字を考えると大きく業績を回復させることに成功さました。
労働環境の改善が一役
この業績回復には、徹底した労働環境の改善が影響しています。
まずは1オペを廃止、メニューの工数削減、時給アップ、地域正社員の採用強化などなど。
特に会社と労働組合が一緒になって、残業時間を減らす解決策を互いに話し合う場を設けたのは大きい。
掛け声だけ終わる企業は多いですが、運用後も、そのルールが徹底されているかチェックし、ルールから逸脱するような状況が見られたら、改善に走る。こうして労働環境の悪化を未然に防ぐ努力を怠らない所が大きいと思います。
お金も大事だけど待遇もね。
時給が高いに越したことはないですが、それだけが人を集める有効手段とも言えません。
学生、主婦、フリーターなど、それぞれの生活に即した事情があります。
学生ならば試験やら、就職活動、卒業旅行など。
主婦ならお子様のお出迎えや、家事の時間確保などなど。
そういった事情に一つ一つ応えられる働き口であれば、人も自然に集まるのではないでしょうか。
シェアするという考え
今までは、ある1人に集中していた労働時間を皆でシェアする。一人ひとりでシェアすることで、長く働ける環境も提供できるのではと思います。
正社員にもこの考え方が定着すればいいんでしょうけど・・・