ガソリン代が高すぎで政府も対応に追われる
コロナが落ち着いたと思ったら、あちらこちらで価格上昇が起き新たな問題が勃発。久々に遠出でも思ったけどガソリン代がリッター150円以上ともなると価格が落ち着くまで控えようと思う人も多いのでは。
そんな国民の意識変化を察したのか、政府が元売り各社を支援することでガソリン代高騰を抑える動きを示しました。焼け石に水という声も囁かれていますが、なしよりはマシ。せめて150円未満に抑え込んでもらえれば御の字です。
ガソリンの他にも、日用品や飲食店でも同様に値上げのニュースが相次いでおり、この傾向は日本に限らず全世界で起きているようです。
値上げは苦渋の決断は今は昔
これまで値上げは最終決断であり、コスト上昇分は利益を削ったり、分量などの仕様を変更するなどで価格は据え置きというのが一般的。
消費者に受け入れらず、売上、シェアを落としたらどうしようという不安がありました。
ということもあってか、価格、つまりモノの価値は消費者側にあった訳ですが、昨今では、もうニッチモサッチも行かないという事情もありますが、企業側に価格決定権が移行している、つまり価格を上げても消費者は受け入れるという事例が散見しています。
値上げをしても売上落とさず、米マクドナルド
米マクドナルドではコスト上昇分を最終価格に転嫁することを決断しましたが、さしあたって消費者からの不満の声はあまり聞かれず、値上げに成功。
食品大手の米ペプシコ、日用品大手の米P&Gも値上げに成功しました。
これらの企業は、ある意味、企業側で価格を決めることに成功した訳で、これを投資家たちは重視しているようで、そう考えると上場企業というのは大変だなと感じました。
消費者は価格を安く、投資家は価格を高くという相反する事を要求してくるわけですから・・・
投資家は企業側の値上げに好意的
先に挙げたマグドナルドの値上げは投資家から好意的に受け止められ、株価は6%上昇しました。
というのも、値上げしたことで、利益率は下がる傾向にあるものの、これまで通り利益をきっちり確保もしくは若干アップ。とにもかくにも業績を落とすことなく、あわよくば収益拡大も期待できるから。
てなわけで、値上げに成功した企業、つまり価格決定力のある企業は投資対象になりやすい。
データでも明らか。価格決定力のある企業は利益の伸びが著しい
スイスのUBS銀行の調査によれば、価格決定力の強い企業と弱い企業を比較した場合、前者の方が利益の伸びが大きいとか。
全世界的に値上げを受容する傾向にあり、投資家受けも踏まえ、今後、ウチもウチもと値上げを断行する企業が増えてくるかもしれません。
コロナという大変な時期を経験したからこそ、企業さんも大変でしょう。だから値上げもいたしかないという意識が働いてしまいますが、度を過ぎた値上げは消費者からそっぽを向かれる恐れも。
値上げ受容の賞味期限もそう長くはないと思う次第です