今年はややトーンダウン
春闘の時期がやってきましたが、過去2年に比べると今年はややトーンダウンといった感じが否めません。
「昨年を上回る賃上げを!!」という訳で、経団連では年収ベースでという言葉を使い、一時金を含めた年収増という含みを持たせています。
対する連合も昨年までベアを2%以上としていたのを、2%程度と若干目標を下げています。
アベノミクスとしての成果は?
過去2年の春闘では官製春闘とも揶揄されましたが、経団連も政府の要請通りに賃上げを行い、連合でも平均賃上げ率は2年連続で2%を超えるました。
が、お給料は上がったのに生活が豊かなになったという実感はほとんどない。
というのも、物価の上昇が賃金の上昇を上回っているから。消費増税という影響もあり、2015年4月まで前年同月比で24ヶ月連続のマイナス。
となると、まだまだ賃上げをしていかないと、生活が豊かになったという実感もわかない。
不安要素が勃発でどうも・・・
てな訳で、さらなる賃上げを目標としているわけですが、それはあくまでも一時金も含めた年収ベースのお話。ベアアップともなると企業としての負担も大きくなりリスクも高まってしまう。
中国の景気減速、原油安など不安要因が勃発しただけに、勢いで「よし、ベアアップや」と威勢よくは行かないのでしょう。
中小企業にも光を
これまでの話は、言わば大企業のお話。この賃上げの空気を中小企業にも波及させていきましょうというのが、今年の労使交渉のポイント。です。
例えば自動車業界で言えば、円安で完成車メーカーは潤いましたが、2次、3次の部品会社は逆に円安が重しになり、益々経営は厳しい状況。
当然、賃上げなど無理な話で生き残りをかけて逆にコストを削減する方向に注力しないとならない。
購買単価のアップ交渉
企業間の取引額アップを是正するのはどうかなと思いますね。大企業を頂点としたピラミッド。その頂きが潤うのであれば、傘下の取引企業に対して毎年の値下げ交渉を一時的に中止するとか、過去最高益の祝いの年につき、例年のレート+1%アップで取引OKとか。
そういった形でピラミッド皆で景気で享受できる仕組みができれば中小企業だって、賃上げできるんじゃないかなと思います。
景気が厳しい時には、コストダウンに一生懸命務めていたのですから、景気の良い時だけでもいい夢を見させてくれればいいのにと・・・