ビッグマック指数で見る日本の購買力の弱さ
ビッグマック指数とは、その国の購買力を比較する際によく使われます。
材料や調理法は同じ。違いは原材料の価格や人件費で、そこにお店の利益を乗せて販売価格になります。この販売価格を米国を基準にして髙いか安いかを見ます。
安ければ、購買力が弱い、高ければ強いとなるわけですが、日本の場合は米国のそれに比べてマイナス40。EUがマイナス11、韓国がマイナス29、タイでマイナス31ということを考えると明らかに購買力が弱い。
日本人にとっては安く購入できることに越したことはないですが、この安さが今、世界的に何かと問題を起こしているようで驚きました
船便も日本経由中国から中国直帰の方が儲かるという残念なお話
コロナ禍でモノの動きが活発化したことで、世界各国でコンテナ不足なるものが発生し、モノ不足を引き起こしています。
港から物流センターまで距離のある海外。荷物を降ろして空になった日本向けのモノを積み込んで再び港に戻り、帰りは日本を経由して中国というルートでした。
が、最近では荷物を降ろした状態で空っぽのコンテナを港に戻して、中国からの輸入品をさばいた方が儲かるとのこと。
ということで、日本もこれまでの運賃の倍を支払うとしたものの、それでも中国直行便よりも安い。
と考えると、モノやサービスの価格はさらに上がる可能性大でしょう。
エンタメ業界も日本軽視?中国の方が儲かりますんで
このような日本軽視の動きはエンタメ業界の世界でも起きています。
例えば大物アーティストコンサートなどは、これまで多くの海外アーティストが日本でコンサートを行っていました。一般的に海外アーティストコンサート相場はボリュームゾーンが1万円強、最高で3-4万円と言われていますが、世界的に見ると割安。
というわけで、公演費の安さを理由に敬遠する動きがでてきており、中国市場優先の動きとなり、仮に日本での公演を決めたとしても中国のついでにという動きになってきています。
確かに最近、大物アーティストの来日とう話は聞かなくなりました。
これでインバウンドも説明がつく
コロナ禍前まで大フィーバーしていたインバウンド需要も説明がつきます。
自国に比べると明らかに物価が安いわけですから、日本を訪れるにも納得がつきます。
観光客、日本国民にとっては、このデフレ化は歓迎できますが、先の船便、エンタメの事例を見るに、安すぎると買い負けという残念な結果を招いてしまうということ。
そのツケが今の物価上昇という形で、今まさに日本の消費を苦しめています。
資源が少なく輸入に頼る国にとっては辛いところですが、この状況を受け入れ、とにかく物価の安い日本を貫くのか、ちょい物価安の日本を目指すのか、岐路に立たされている感じがしてなりません・・・。