深刻な人手不足・高齢化
飲食業界や建設業など一部の業界に限られていると思いきや、コンビニ弁当の世界も人手不足で悩まされています。
日常的に利用するあのお弁当。何故、ご飯の上に鮭を置くの?と幕の内弁当を食べる時に思いますが、あれも全て人力によるもの。で、一つのお弁当の盛り付けるのに10人近くの人が携わっているというのですから、結構お金がかかっているのです。
が、人手不足ということもあり、そこまで人数がかけられない。てなわけで、ロボットの協働作業の実験が進められています。
飲食業の世界では協働事例がいくつか
例えば、牛丼チェーン店大手の吉野家では、食洗機ロボットを導入し、洗浄作業時間を約20%削減。リンガーハットでは、持ち帰り用の餃子のパック詰めをロボットに任せたりと徐々にでありますが、ロボットとの協働作業が進められています。
コンビニ弁当の世界でも容器の蓋のせをロボット化するなど一部では協働が進められていますが、今回のお話はお弁当の盛り付けというかなり難易度の高い作業にロボットの導入試験が進められているのです。
盛り付け作業は大きく分けて2つ
この盛り付け作業を大きく分けると、食材をつかむピッキングと配置作業になります。
ピッキング作業で一苦労
ピッキングは、大きな容器の中にいくつものコロッケが積み重なっているものを想像してもらえればいいです。
で、このコロッケをピックアップする作業が実に大変。事前に同じ向きに揃えておかないとまず無理。向きがばらばらで配置もバラバラとなるとロボットは認識しないとのこと。
加えて部品と違って柔らかいですから、強く掴むとコロッケが潰れてしまうし、弱くに握るとコロッケをつかめない。
このさじ加減がなかなか難しい。
UFOキャッチャーで景品を掴むよりも難しいと思います。
解決方法としては、吸引ハンドなるものを新開発して、掴むというもの。
まるで磁石のようにコロッケがピタッとつく様子は信じられない位です。
配置作業はもっと大変
限られたスペースにおかずを配置していくのも人間だからこそなせる技と言っていいでしょう。
これをロボット2台を使って行うというのですから、涙ぐましいとしかいいようがありません。
イメージとしては片方の手でコロッケを持ち、で、コロッケの下に添える手をもう一方のロボットが担います。
その手を所定の位置まで移動し、添えた手を斜めに。この時コロッケを持つ手の力をゆっくりと弱めていき、滑り落とすように容器に配置するというわけです。
もの凄く手の込んだことをして、何とか盛り付け完了となります。
将来的にはもっとスムーズになるかも
まだ実験段階で試行錯誤中。このような方法よりももっとスマートな方法が見つかるかもしれませんね。
ハードルは高いですが、それに挑戦していく姿に感動しました。
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