ネット通販の雄vs チャット系アプリの雄
アリババと言えば、中国市場では5割のシェアを持つネット通販大手。一方のテンセントと言えば、チャット系アプリのWechatを開発した企業。いずれも、その市場では確固たる地位を築いていますが、その2社が電子マネー市場で、今まさに熱い戦いを繰り広げています。
主戦場は電子マネー決済
日本でもかなり浸透してきた電子マネー。確か登録件数ではWAONが1位だったような気がしますが、アリババとテンセントも独自の電子マネーを展開。
で、タクシーの支払いをめぐりアリババは、電子マネー決済でキャッシュバックを展開。
一方のテンセントはキャッシュバックの展開は一緒なものの、加えて運転手さんにも、キャッシュバックをするといった至れり尽くせりのキャンペーンを展開しているようです。
会員獲得コストとして、かなりお得
中国でのタクシー利用者は富裕層に多く、自社の電子マネーを使ってもらえれば、その時点で良質な客層を獲得できちゃう。
加えて、新規登録にかかるコストも通常より安いというのだから、両者が必死になるのも無理もありません。
金融業界に進出?
しかもアリババは、銀行業務にも進出。他行が3%台の所、アリババの預金金利は6%。一方のテンセントも、アリババの金利を上回るサービスも展開し、人気を博している模様。この両者の動きに銀行側もかなり戦々恐々の様子
日本に当てはめて考えてみる
キャッシュバックを使った顧客の囲い込みは日本でもよく見かけますが、売り手に対してもキャッシュバックをつけるとは斬新。
しかも将来的に利用頻度の高いと予想される顧客獲得にタクシーを選んだのも見逃せない。
日本では電子マネー市場はまだまだ戦国時代ですが、こんなサービスが行われれば、淘汰もさらに進むかと思います。個人的には、楽天Edyに頑張って欲しいところですが・・・。
日経ビジネスNO.1731より
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