中国版ウーバー「デイデイ」
ライドシェアサービスと言えば真っ先に思い浮かぶのがウーバー。
本国アメリカではウーバ渋滞と揶揄されるほど利用する人、運転する人が爆発的に増えています。
が、ライドシェアはウーバー一強にまったをかけたのが中国のデイデイです。
アリババとテンセントのライドシェアが合併して2015年に誕生。中国のIT最大手が手を組んだのですから、期待値もアゲアゲ。中国検索大手のBaiduも資本参加を表明したり、ソフトバンクファンドも出資を表明するなど今最も中国企業とも言えるでしょう。
膨大な走行データが欠かせない
単なるライドシェアの商売であれば、ここまで注目されませんでした。
ソフトバンクをはじめデイデイに期待するのが膨大な走行データでしょう。
将来を見据えた自動運転車、Maas(マース)などへの応用も視野にいれているからに他ありません。
走行データの情報量で言えばGoogleが圧倒的とも言われており、それが自動運転の性能を左右するとも言われています。
日本にも形を変えていよいよ導入
2018年9月にソフトバンクと組んで、デイデイが日本に上陸しました。
日本の法律事情により配車サービスはできないので、タクシーを呼ぶ配車アプリ
として東京、大阪、北海道のタクシー会社と提携してしょうばいを開始しました。
さらにメキシコ、ブラジル、オーストラリアにも進出。利用者は世界で5億5千万人。運転手の数3100万人、年間乗車回数は100億回に達したとか。
データ量に換算すると、これが1日70テラという膨大な情報量になります。
ウーバーがどんだけの情報量になるかわかりませんが、とにかく自動運転開発に使える情報量であることは間違いありません。トヨタが興味を示すのもわかる気がします。
アリババ・テンセント経済圏誕生
デイデイの親会社とも言えるアリババとテンセント。事業の幅はECサイト、決済、ゲームなどなど幅広い。
各事業を連携させることで、それはそれは巨大な経済圏が成立するわけで、Maasを運営していく上ではかなり有利かなと。
残るピースは、飛行機、列車。これもライドシェアで培った配車システムを応用すれば行けるじゃないでしょうか。
決済も自社グループも使えば簡単。
もっと話を飛躍させれば都市開発に欠かせない存在になることも十分に考えられます。
スマートシティ構想に、デイデイの収集する情報は使えるものばかりなのですから。
あらためて孫さんの目のつけどころのするどさに関心させられました。