中国による兵糧攻め
台湾を取り巻く米中の関係悪化に伴い、台湾がより一層危機にさらされるのでは?という話。
台湾では、3期連続で台湾を独立国家と主張する政権が実権を握り、米国もこの政権を支える姿勢を示しました。
この姿勢に強く反発したのが中国。2022年8月には大規模な軍事演習を行いました。台湾を取り巻く海域に向かい、ミサイルを発射。
仮に戦争が起きるようなことになれば、四方を海で囲まれた台湾はまさに陸の孤島状態。
事は中国、台湾の2国間による争いにも見えますが、んなことが起きれば日本も甚大な被害を被ります。
遠く離れたウクライナ危機による経済的ダメージを遥かに上回ることが予想されています。
被害その1。台湾への輸出ストップ
GDPに占める輸出額を国別に見ると中国の3.3%が最も大きく、次いで米国、台湾と続きます。
台湾のそれは1.1%。たったの1.1%にも見えますがGDPの成長率が2.1%ということを考えると実態経済には相当なダメージになります。
特にダメージを喰らってしまうのが半導体産業。世界的な半導体企業TSMC向けに日本は製造装置などを輸出しており、台湾向け全体の約1/4。輸出がストップするとこの分がごっそりとなくなってしまう事態になります。
被害その2。台湾からの輸入ストップ
出るのが難しくなりますから、当然入るのも難しくなります。
輸入も半導体がらみが最も被害が甚大で、ようやく半導体の供給が落ち着いた所ですが、またまた逆戻りすることも考えられます。
被害その3。海路遮断によるエネルギー価格の高騰
ウクライナ危機により、ロシアの空域を外した航路によりモノの値段が高騰したように、台湾有事でも同様のことが起きる可能性もあります。
日本では原油、天然ガスを中東から多くを輸入。主に船便によるものですが、これまでは台湾の近くを通る海路でしたが、中国との緊張感が高めればこの海路は使えず大きく外れた迂回路を使う羽目に。
当然、これまでよりも日数もかかるわけで、物流費も高騰。当然価格にも影響していきます。
エネルギーの高騰だけに日常の生活にも直結しており、台湾有事の大変さを実感することでしょう。
まとめ。代替えプランに動き出す
半導体の供給不足で、国内に半導体工場を作ったり、新たに会社が立ち上がったりと将来に向けた対策が次々と行われた2022年。
単純な供給不足という理由で、この事態を観ていましたが、台湾有事という側面もあるのでしょう。
そう考えると液化天然ガスのように調達先が中東に偏らないよう、原油も早めに対策を打たないと大変なことになるかも。
とにもかくにも台湾有事だけは起きてほしくないと思った次第です。