遡ること400年前の東インド会社が源流?
当たり前のように思える「会社」という形態は、17世紀の大航海時代に始まったと言われています。
大航海時代にスポンサーからお金を集めて船を出し、特産物をたんまり積んで売りさばいたお金を出資者に元本とセットにしてお支払い。このような航海事業が単発的に行われていました。
これを永続的な仕組みにしたのが、1602年に設立されたオランダ・東インド会社で、今の会社の原型を作ったとも言われています。
オランダ・東インド会社では、航海の難易度に合わせて有限責任を課し、株式の譲渡もできるように。これにより企業が継続して航海できる仕組みを作り上げ、成長させる基盤を作ったのです。
これまでの単発という仕組み永続的仕組みの変化が、ここで起きたのは歴史を俯瞰して見ると大きな転換期とも言えます。
第一次産業革命により「集合型」が勃興
次なる仕組みの大きな転換は「分散型」から「集合型」。これまで職人による分散型の仕組みが、機械化により、ある場所に人を集めて生産を行う「集合型」に変化します。
これまで、ある一部のモノにしか出来なかった仕事が、機械化により、仕事につける人が一気に拡大。それに合わせて労働人口も飛躍的に伸びたのでしょう。
とは言え、今でも職人の手による仕事は生き残っており、100年以上も続いているというのは、あらためて人間の技の凄さを感じました。機械では到底及ばないのでしょう・・・。
臨時雇用ではなく、恒常雇用でやる気を刺激
第一次産業革命で、多くの労働者を生んだことは会社という歴史の中では大きな出来事ですが、この時の雇用形態は臨時という形態。
工場を運営する会社は、人材派遣会社的な企業から人を派遣してもらい、直接雇用ではありませんでした。
これが、ノルマ設定や作業の標準化という仕組みが広まる中で、臨時から恒常という雇用形態に変化していきました。
日本では、第2次世界大戦の国家総動員体制の中で、やる気を引き出そうということで直接雇用が広まり、今の会社の形態を形作ったとも言えます。
コロナ禍で逆回転始まる?
これまでの会社形態の歴史を振り返ると、今まさに大きな転換期を迎えていることに気づかされます。
それも過去の転換期に起きた事象を再び辿るというのもの。
会社というひとつの箱に従業員が集まって仕事をする集合型から、各々の自宅から仕事を行う分散型
これまでは社内のスタッフを集めてプロジェクトをこなす恒常というスタイルから、外部のスタッフも含めプロジェクトごとに人材を集め、終了したら解散という臨時という形態。
世界企業の時価総額を見ると集合型の製造、サービスがシェアを落とす中、分散型のIT、金融がシェアを伸ばしているというのは変化を示唆しているとも言えます。
どうなるこの先の会社の形態
恐らく働き方としては集合から分散という形がより色濃くなると思います。
これにより、ひとつの会社に固定せず、副業などを通じて他の会社にも従事する単発型も増えていく気がします。
となると、日本も簡単にクビにできちゃうような労働の流動性を活性化させる法律が施行されるかもしれません。
そんな事が起きないことを願いますが、それまでに自分磨きをしないと駄目かなと思った次第です。