残業時間100時間の攻防
最近、何かと話題の残業時間問題。100時間以下とするか、未満にするかで、経団連と連合で激しい攻防が繰り広げられていましたが、100時間未満に落ち着いたことで、この働き方改革にも一定の目処がつきました。
社員にとっては、これで残業せずにお家に早く帰れるぜと喜んでいるかと思いきや、中には、お困りの方もいるようでして・・・
手取りが減るのは困ります
そもそも会社からもらう給料とは残業代を込みとして成立している方々が多い。
今月は稼がなきゃとなれば、通常よりも遅く会社に留まり、仕事をするわけです。
で、予定通りの収入を得て満足顔といった感じですが、これから、そんな都合の良いことはできなくなります。
遅くまで残っていようものなら、上司から早く帰れだの、面倒な残業申請書を出すなど様々な壁が待ち受けています。
その壁を乗り越えるような気力があれば別ですが、そこまでするならば、トットお家に帰って自分時間を満喫した方がまだマシだと思うはず。
消費活性化の一環なのに・・・
日経BPに調査によれば、残業時間減少で消費意欲度を調査したところ、たいして変わらないと答えた人が全体の8割。
さらに深刻なのが消費意欲が減退と答えた方が約2割。
この結果を見るに全くもって消費活性化に繋がっていない印象を受けます。
確かに収入は逆に減る可能性が大いにあるわけで、消費意欲が高まるというのは考えにくい。
残業代削減分はどこに行くを考える
会社としても人件費の抑制に繋がるのはいいこと。
けど、それだと経済の活性化にはつながらない。
ならば、その浮いた分を給与に反映するとか、臨時ボーナスにするとか、はたまた、ノー残業の人には特典をつけるとかの何かしらの施策を打って欲しい。
となれば、今まで通り消費にも回すお金はキープできます。
あのプレミアムフライデーも盛り上がってくれるでしょう。
ロボットに仕事を奪われるかも
この働き方改革を受けて、企業がAIやロボット技術に力を入れてくるのではないかと不安を感じます。
人は増やせない中で、仕事をさばくには一人ひとりの生産性を高めないと太刀打ちできない。
とは言うものの、一人で10人位の仕事量をさばくというのは無理な話。
となってくると、AIなどにその仕事を任せてしまった方がずっと効率的。
Amazonが倉庫にロボットを導入したのがまさしくそれ。
倉庫で働く人達は、自分の仕事がなくなるのでは?と戦々恐々しているとか。
働き方改革が、人間からロボットへという意味も含まれていないことを願うばかりです。