対象企業の約7割が未対応。インボイス制度
消費税10%導入時によく耳にしたインボイスという言葉。既に過去のものと思いきや来年再びよく耳にする機会が増えそうです。
というのも、このインボイスとは税制上の制度的なもので、2023年10月から導入が予定されています。
消費税10%から早2年以上経過していますが、制度が複雑ということあってか、これまでは準備期間だったようですが、残念なことにこちらの制度に対応しているのが現状では約3割。7割近い企業が依然未対応のようです。
インボイス制度とは、そもそも何?
インボイス制度とは、企業が仕入れ税額控除の額を正しく算出するための制度とのこと。
イマイチ、ピンときませんが、例えば木材屋さんから、角材を税込み1100円で仕入れたとします。それを今度は税込みで2200円で大工さんに売ります。
この場合、売り手の消費税は200円となるわけですが、実際には既に木材屋さんに対し、100円の消費税を支払っているので、売り手の納税額は100円になります。
これをインボイス制度と呼び、税控除と呼んでいます。
インボイスが適用されるのも仕入先が導入していなければ意味がない
余計に消費税を払わなくて済むので、企業にとってはありがたい話ですが、ここで注意すべき点があります。
先の例に挙げた木材屋さんが、インボイス制度を導入していないと、税控除が受けられません。
これが何を意味するのか、恐らくですが、仕入先の選定にあたってインボイス対応も重要になってくるという事。
仕入れ金額に差がないけれど、一方はインボイス対応、一方はインボイス未対応となると前者が選べられるということは十分にありえる話だと思います。
どうなる1000万円以下の零細企業は?
売上高1000万円以下の個人事業主や零細企業などで、消費税の納税義務を免除されている事業者も対応に迫られることでしょう。
これまでは、消費税の納税を免除されていたもの、インボイス導入しないと仕事を減ってしまう恐れがある。ならば、納得行かないけどインボイスを導入しようかなと。
フリーランスで仕事をされている方々と仕事をするケースもきっちり消費税を乗せて請求している所を見ると、僕の周辺ではきっちり対応していくことになるでしょうね。
ってことは、税収は減る?
インボイス導入前は、当たり前のように消費税をつけて請求。当然、仕入先からも消費税込で請求されている訳で、ある意味、国は二重取りを容認していました。
が、インボイス制度導入で、二重取りを是正しているように見え、これって税収が減るのでは?と疑問に思いました。
ならば、税の二重取りでよく矢面に立たされるガソリン代。こちらも是正されるのか、はたまた消費税とは異なる税金のため、是正されませんと一蹴されるのか、税がらみは非常に難しいお話と思った次第です。