失地回復は受難かも。日本勢のEV

ev自動車業界

世界最大のEVマーケット。中国

世界で最もEVが売れている中国。そもそもガソリン車でも米国に次ぐ規模を誇っており、世界一の人口を抱えているだけあって、物理的にマーケットはでかい。

そこに来て、中国当局による猛烈なEV支援などもあり、急速にEVが普及しています。

海外勢、そして国内勢と玉石混交の中、唯一出遅れているのが日本勢と行ってもいいでしょう。

新車販売台数の落ち込みが激しい、日本勢

2020年の日本勢のシェアは約20%だったのが、2023年の1-3月は15.9%。一方、中国勢のあるメーカーは、約40%から約60%と20ポイントアップと明暗がクッキリとつきました。

2023年1-3月に発表された決算では、輸出が絶好調ということもあり過去最高益を記録した自動車メーカー。が、中国に限ると業績を落としているようです。

工場稼働停止を余儀なくされた三菱

三菱自動車も絶好調の自動車業界のご多分にもれず、4年ぶりの過去最高益を叩き出すなど絶好調ですが、中国に限れば105億円の特別損失を出すほど苦戦を強いられています。

中国で新車販売の約4割を占めるほど人気のSUVを投入したものの、結果は散々だったようで、ほぼほぼテスラのSUVの前に惨敗。

結果、2022年の販売台数は前年度比4割減。2023年はさらに落ち込むとも言われています。

このような結果を受け、工場稼働を停止せざるを得ない状況にも追い込まれているというのですから、事はかなり深刻なように映ります。

勢いに乗る中国勢

EV車のラインナップが乏しい日本勢の苦戦とは対象的に勢いに乗るのが中国勢。それもEVのラインナップが充実しているからこそ。新車販売台数に占める割合が2割を超え、一昔前の日本でHVが普及する前夜にも似ています。

2020年に発表したガソリン車廃止に向けたロードマップ策定以降、短期間でEVという新たな市場を普及、拡大させていったのはさすが中国とも言えます。

北京や上海ではナンバープレートを取得しやすくしたり、他にも購入補助金、免税措置、充電インフラ整備の充実など、これでもかとばかりの優遇策のオンパレード。

ここまでの特典がつけば、必然的にEVを選択するのも無理はありません。

大丈夫、日本勢?

てなわけで、中国市場では、国内勢に大きく水を開けられている日本勢ですが、ある意味後発組となるだけに、いかに失地を回復していくことが今後の肝となるでしょう。

現EVユーザーが不満と思うこと、うまーく拾って中国勢との違いを出せれば商機はあるかなと思います。

とにもかくにも中国と並ぶ北米市場でも同様な事が起きないよう、早め早めに手を打つ必要があります。

となると、米国における工場建設がさらに増えていくんでしょうね。この分で行くと。産業の空洞化を起こさないためにも、日本政府によるEV支援をさらに強化して欲しいと思った次第です。

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