新車が落とす中、中古車はプラス
コロナ禍で一部を除いてはどこも業績を落としている中、自動車業界もご多分に漏れず、要となる新車販売は6月実績で約20%ダウンと散々な状況。
一方、中古車市場は同6.8%増。5月の約20%ダウンから見れば大幅な回復とも言えます。
中古車市場は新車よりお先に平時に戻ったかと思いきや、素直に喜べない事情があるようで・・・。
輸出ができない、新車下取りが少ない
まず輸出に回す玉がさばけないという災難に見舞われ、泣く泣く低年式車を店頭に並べなくてはならないというもの。
この輸出向け車両、オークション出品者の1/3を占める規模。海外専門に輸出する企業は輸出できないこともあり、買付を断念。ということもあってか、一時的に売買がストップするほどの影響を与えたようです。
当然、走行距離の多いクルマなど競争力も買い手がつかない。不良在庫を抱えるようなもの。とは言え、店頭の見栄えというのもあり置かざるをえないのでしょう。
ならば高年式車に頑張ってもらおうと思っても、新車が販売を落としていることもあり、玉が中古車市場に落ちてこない。
総合的に考えると、今、中古車の売り場では低年式車が店頭に並んでいるという残念な状態に陥っていると考えられます。
コロナ禍でとりあえず現金化の動き
コロナ禍の始まりの頃は、クルマが売れないということで規模の小さな会社がほぼたたき売り状態で販売したこともあり、価格バランスが崩壊。
これも明日の飯のためならと必要に迫られての行動なのいたしかたありませんが、それも長くは続かず逆に供給薄により再びオークション市場では価格が上がっている売り手市場に戻っているとか。
やや戻しつつある中古車市場
たたき売りにされようと再び健全な市場に戻るということは、それほどに玉不足が深刻なことが伺えます。
しばらくは供給不足で、市場価格もやや高値で推移していくことでしょう。
小売価格には転化できないということもあり、販売店は利益を削って対応しているとのことで、供給不足にあぐらをかかない姿勢は好感が持てますが。
新車販売にとってもプラスでは。
中古車市場が底堅く推移するとなれば、下取り価格の上乗せも当然考えられるかなと。これまで10万円の値しかつかなかった商品が15万円に。
その分、新車購入のための現金も安く抑えられることができる。
そのような良き循環が巡ってきてくれればいいのですが・・・。
とにかく新車が売れてなんぼの世界。早く新車市場も回復して欲しいものです。