法人シフトで勢いあるかに見えたが・・・
数年前にコンシュマー向けから法人にシフトして、息を吹き替えしたかに見えたパナソニックでしたが、ここ最近ではやや息切れ気味の様子。
19年3月期は「家電」、「住宅」、「車載」、「BtoB」の4つ事業全てで減益の予想。
20年3月期は、車載部門では150億円の赤字を見込まれ、全社の営業利益は前期比27%減の3000億円だとか。
「住宅」も、パナホームを完全子会社化して頑張ってきたものの、これまでの工業化住宅から、住宅のみならず暮らし全般にニーズが拡大しており、とても1社で賄い切るのは無理。てなわけで、トヨタとの統合を決めたわけです。
パナソニックから打診だって
クルマ側から見ても、電気自動車に代表されるように住宅とのつながりがこれまで以上に強まっている昨今。さらに将来のMaaS市場を考えると、てっきりトヨタ側からの打診かと思っていました。
既に電気自動車用の電池などで提携関係にあることもあり、話はトントン拍子で進んだようにも見えます。
統合後の描く絵とは
トヨタにとっても、クルマをめぐる環境が所有から利用へと変化していく中で、利用分野でもしっかりとフォローしていかないとならない。
ある意味、MaaSを起点にした街づくりになってくるんでしょうけどね。
会社統合時の発表コメントでも「駅から遠い住宅地に不向きな土地でも自動運転サービスを組み合わせることで開発につなげられる」と街づくりの領域に踏み込んだ内容が飛び出しました。
確かに駅から遠くても、玄関から駅をつなぐ移動手段が確保されていれば、無理してお高い駅チカ物件に手を出さなくてもすみますしね。
トヨタホームとパナホームの行く末
とは言え、この統合、これまでライバルの関係にあったトヨタホーム、パナホーム、ミサワホームががっちゃんこするわけで、中の人は穏やかではないでしょうね。
各ブランドは残るとのことですが、将来的にはどうなることやら・・・
とりあえずは統合メリットを活かし資材の調達や施工などの共通化が図られていくのでしょう。
クルマに例えれば、プラットフォームは一緒で、ボディはブランドごとに切り変えるというものに似ている気がします。
住宅事業は切り捨て?
新会社の出資比率はトヨタとパナソニックで折半ですが、三井物産も出資を検討しているようで、実現するとなると両者の持ち株比率は下がり、連結対象外となる模様。
ってことは、パナソニック本体は住宅事業に見切りをつけて、残る家電、車載、IoTに力を入れていくことになるんでしょうね。
どうも不採算部門の切り捨てに見えてなりませんが、見切りの早さもパナソニックの良さなのかなと思った次第です・・・