定期券収入激減で鉄道会社も新常態

終戦のエンペラー自動車業界

続々と在宅勤務推進を表明

コロナ禍で一気に普及した在宅勤務。この騒動が収束しても恒久的に続ける方針とのこと。大手企業がこの状況ですから、今後は中小企業にも広がりを見せることでしょう。

平日8時台の都心の主要駅の人の数は、今でもコロナ禍前の5割ほど。じわじわと在宅勤務が広がっていることを示唆しています。

在宅勤務をデフォルトにすることで、これまでの定期券などの通勤手当を廃止し、都度精算に切り替え。

企業としては大幅にコストを削減でき、従業員は在宅勤務を継続して欲しいという声が多く、両者の利害が一致。

が、在宅勤務定着化で被害を被るのは鉄道会社。収入の5割近くを占める定期券収入が一瞬にして蒸発してしまいました。

これまで混雑緩和に頑張ってきたのに

これまで通勤時の混雑緩和のために、鉄道会社はお金をかけて改善を進めてきました。

例えば東急電鉄は車両の導入や複々線化などを行い混雑緩和に成功。乗客数はこの20年間で25%増やました。

が、今となってはこの混雑緩和対策が重く経営にのしかかっているという状況。

よかれと思ってやったのに、状況が変わると仇になるとは何と皮肉なことか。

終電時間の前倒しはまだ序章か。

定期券という大きな収益源を失ったことで鉄道会社は様々な形でコストの引き締めを開始しました。

JR東日本では広告宣伝費や修繕費、設備投資を抑制。21年3月期には1500億円のコスト削減を見込むものの、それでも厳しい状況は変わらず。

というわけで、21年の春のダイヤ改正では東京100km圏内の終電を30分ほど繰り上げることを発表しました。

これにより駅の運用費、列車の運行費などの削減ができますが、最も効果が大きいのは夜間の点検整備費の削減。

終電を早めることで整備時間を多く取れるようになり、これまで人力だった作業を機械に置き換えてできるようになり、人件費の削減に大幅に寄与できるとか。

このような乾いたタオルを絞るようなコスト削減をする一方、新たな飯の種づくりにも動き出しています。

混雑緩和という新たな需要を掘り起こし

コロナ禍で混雑時の電車を敬遠する層が一定数いると予測し、座席指定制を導入した京王電鉄。予想通りの反響で増便も検討しているとか。

他にも特急券の値下げや割引サービスなどを始めた東武鉄道などなど、限られた利用客からより多くの収入を得るという策に力を入れ始めました。

将来的にはダイレクトプライシングの導入も視野に入れ、時間帯によって費用が変わることも検討しているとか。

ITの進歩で乗車率に応じて、日ごと時間ごとに運賃が変動することも考えられます。

とにもかくにも定期券収入頼りの経営では立ち行かなくなったことでしょう。鉄道会社には頑張っってもらいたいです。

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