自動車メーカーによる資源争奪戦。帰ってきた垂直統合型

テスラ・モデルS,電気自動車 自動車業界

水平分業か垂直統合型か

製造業界でよく耳にする垂直統合と水平分業、どちらが良いの?って話。

電機業界で言えば、ブラウン管は垂直統合、液晶テレビは水平分業と分けられがちで、台湾、韓国に惨敗した日本勢という結果から、水平分業が優れた生産方式という風潮がまかり通っています。

自動車業界も同様で、基本的には各部品は、専門の部品メーカーに委託し、完成車メーカーは組み立てに集中といった感じで、古くから水平分業を推奨してきました。

が、EVが普及するにつれて、垂直統合型へ移行する動きもチラホラ。そのきっかけを作ったのがあのテスラと言われています。

水平分業の創始者、フォードも実は垂直統合型だったとは

自動車の歴史で最大のトピックスとして取り上げられるのがヘンリー・フォードによる大量生産方式でしょう。

各パーツ屋さんからパーツを工場まで持ってきてもらい、ベルトコンベアに乗せて生産するという一連の流れは、まさに自動車業界における水平分業の始まりと言ってもいいいでしょう。

このようにフォードは水平分業の父と見られてきましたが、実は垂直統合にもしっかりと手を打っていたことに驚きました。

例えば、タイヤ用のゴムや車台用の鋼鉄のため、農園や製鉄所を傘下に置いていたり、石炭採掘を目的とした鉱山を保有していたり。

で、この垂直統合に今まさに力を入れているのがテスラなのです。

時価総額が飛び抜けているのに納得

テスラによる資源開発の動きは、ものすごく例えばリチウムの大半、コバルトの半分以上、ニッケルの1/3は、部品メーカーを経由せず直接調達しています。

これに習ってか、各社も資源材料の直接調達に力を入れ始め、BMW、GM、ルノーなどが主に充電池で使われる原材料の直接到達に乗り出し始めました。

他にもテスラの凄さは資源の直接調達に限らず、アウトソーシングが一般的な中で、自社で部品の多くを内製している点。

これにより生産管理が容易となり、製品に対するテスラの付加価値は約5割。メルセデス・ベンツが約3割と考えると、いかに内製率の高い製品であることがわかります。

飛び抜けた時価総額も高い内製率が大きく影響しているようで、納得が行きました。

このまま垂直統合に進むのか

ウクライナ危機によるブロック経済化、半導体不足などサプライヤーチェーンが危機的な状況にある中で、資源開発・採掘から管理できる垂直統合は大きな強みになります。

が、部品の製造/開発まで自社で賄うのは工場など設備管理、人件費などを考えると負担になることは間違いなし。

ので、極力負担をなくそうということで、ファブレスという生産方式も普及してきました。

この先、自動車メーカーが商社機能も持つようになるのか、注視していきたいと思います。

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