バイオ産業は具体的にどんなもの?
バイオ産業と言われてもピンと来ませんが、温室効果ガスの削減、海洋プラスチックゴミの解決などが含まれているってなると、グッと理解が深まります。
要するに今話題のSDGs(持続可能な開発目標)的な産業であるということ。
他にも生活習慣改善のヘルスケアや機能性食品も含まれているとか。
かなり広範囲な事業が含まれるという印象のバイオ産業。2030年には市場規模を92兆円という野心的な数字を掲げていることから注目を集めています。
市場規模92兆円の内訳とは
日本の国内総生産が550兆円。その2割弱を目標とするバイオ産業。その数字から今後、成長が期待できる分野というのが見て取れます。
まだ現状では市場規模が小さい生物由来の原料や生分解性の性質を持つ素材。高機能バイオ素材、バイオプラスチック、バイオ生産システムがそれに該当しますが、2030年には現状よりも8割増しの41.4兆円に爆上がりすると期待されています。
で、残りの50兆円はと言えば、海洋プラスチックゴミの削減や温室効果ガス削減をはじめ、バイオ関連の分析・測定・実験システム、再生医療、遺伝子治療、ヘルスケアなど。
とにかく一口にバイオ産業と言っても、その対象範囲は幅広く、素人的にも、これなら92兆円という試算になるのも納得が行きます。
異業種参入で市場活性化
バイオ産業の担い手としては医薬品、化学メーカーが主役であることは間違いありませんが、異業種からの参入も活発化しています。
例えば製紙会社の王子製紙。関連会社の王子ファーマがバイオベンチャーと資本提携。
コーヒーメーカーのダイドー。その関連会社のダイドーファーマが国内の遺伝子治療ベンチャーと共同開発・販売の契約を締結
富士フィルムは、バイオ医薬の製造受託で2000億円を投じて、米国に拠点を整備。
この状況に、バイオ産業の未来は明るいということが伺えます。大企業が群れをなして、前がかり気味に進めているのですから、政府の掲げる92兆円という目標も前倒しでクリアしてしまうのではないでしょうか。
一般市民とバイオ産業の接点は
昨今ではヘルスケア分野に対する注目度が高まっている感じがします。既にアプリで自分の今現在の体調を知ることができたり、スマートウォッチで心電図が表示されたりなどなど。
このような所に、バイオ産業を知見、ノウハウなどが活かされているのでしょう。
医療の世界では再生治療や遺伝子治療などの進化も今後その恩恵を受けるようになってくるのでしょう。
人にそして社会に貢献する、まさにSDGSを地でいくバイオ産業。この成長が楽しみです。