絶対王者の変心
アサヒドライのヒットで、それまで絶対王者だったキリンを抜き去ったのが2000年前後。
それからはや20年近く一時的に首位の座をキリンに奪われるも再びその座を取り戻し、一時的なラッキパンチではないことを証明したアサヒ
そのアサヒが、激しいシェア争いの仕掛け人でもあったのに、私、今年を持って引退しますということとなり、関係者から驚きの声が上がっています。
元王者キリンの猛追
これまで販売数量を公開してきましたが、これからは非公開とし、売上実績のみ公開するというもお。
背景にはキリンの猛追があるのではと言われています。
2018年には、その差3ポイントまで迫られ、もう後がないアサヒ。2020年には首位の座をキリンに明け渡すのではと市場では予測されています。
キリンは、第三のビールの本麒麟がバカ売れし、今や勢いの面ではキリンに分がある。
対して、アサヒはこれといったヒット商品もない。
首位陥落が現実味を帯びてきたところで、非公開の発表となったわけなので、悪意ある声がチラホラ。
勝ち逃げという声すら上がっています。
株主に対する受けが悪いって
他にも販売数量を非公開にすることで株主に対する情報開示という点で、いかがなものかという声も
個人的には売上は開示するわけだし、投資判断のネタは十分に開示されているとは思います。
加えて、今回の販売数量非公開は、これまでの不毛なシェア争いからの脱却を目指し、収益重視に舵を切ったというもの。
収益重視ということであれば、株主にとってもメリットありとは思うのですが・・・
足並み揃えるというのはどう?
一層のこと、ビールメーカー全てが販売数量の公開をやめて売上高だけを公表すれば、話はスムーズにまとまるのかなと。
シェア争いのために、インセンティブをたっぷりつけて問屋におろしたり、商品本来の価値を著しく落とすような事が現場では行われていると思うんですよね。
クルマで例えれば、自社登録のような不健全な商売習慣みたいなもの。
それを是正する意味でも、販売数量非公開は意味あるものとは思うのですが、市場の評価はイマイチよろしくない。
先を見据えるアサヒ
少子高齢化、若者のアルコール離れなど縮小状況にある国内から、海外に目を向けた戦略が奏功しているように見えます。
2019年には海外と国内の利益がほぼほぼと一緒所まで来ており、その成果を確実なものにしている感じすらします。
海外市場でさらに成長すれば株主としてもこれ以上の喜びはないと思います。
シェア争いに一石を投じたとも言えます。