中国製造2025
2015年頃に中国政府が発表した中国製造2025。中国をモノづくり国家として成長させていこうという目標ですが、その宣言通り、その取り組みはあちらこちらで見受けられます。
半導体がまさにそれ。数年前までは技術的に米欧との差はかなりあったものの、その差は年々縮まり、危機感を感じた米国が半導体製造装置の禁輸を発動するほど。
他にも、プリンターや工作機械でも中国製造2025に向けて強烈な取り組みが進められています。
世界シェアトップを狙う、プリンター
世界のプリンター市場はhp、エプソン、キャノン、ブラザーの4社で世界シェアの99.9%を握っていますが、ここに喰い込み追い越せと中国では国を挙げての取り組みが進められています。
まずはプリンター製造の大規模拠点を山東省に定め、ここに国内企業をはじめ、海外企業を誘致。
海外勢には、かの鴻海や米国板鴻海のジェイビル・サーキット、そしてレノボも製造拠点をこの地に構えています。
当然、プリンター完成メーカーに部品を納めるサプライヤーも一緒にお引越し。まさらにプリンターのメッカという様相を呈しています。
参ったな~の日本勢
海外勢の誘致に見事成功した中国。そもそも世界需要の3割を占めるとも言われるほどの美味しい市場だけに、各完成メーカーも、みすみす見逃すわけにはいかないと思ったのでしょう。
しかも、工場を構える上での条件として、設計から製造まで一気通貫で国内で完結という厳しい要求をされているのにもかかわらず。
両者を天秤にかけると、それほど中国市場は魅力的な市場なのでしょう。
このように思いきりの良さが光る海外勢の動きに対し、日本勢はやや及び腰。
現状は、設計、開発などのコア技術は日本、製造は中国とい切り分けていました。
ちなみに、この要請に従わないと、調達リストから外されるというもの。
つまり、役所、企業などで設備投資をする際に、購入リストの中から、自社がリストアップされない。法人、役所発注は一般消費者に比べると大規模。
そのスタート地点となるリスト掲載に乗らないとなると経営にかなり響くこと間違いなしでしょう。
目先の利益を取るか、それとも技術を守るか
設計から製造まで一気通貫となると、技術流出する可能性も否定できないとか。虎の子の技術が他社に流出されようものなら、今のシェアを脅かされるの必至。
技術は守った挙げ句、中国市場では思い通りの商売ができず売上が落ち込むこともある。
てなわけで、苦渋の決断を迫られているのが現状です。
自動車メーカーがヒントになるかも
プリンター製造会社に取って参考になるのが、自動車メーカーでしょう。国内技術力を向上させるという目的で、中国に進出する際は、合弁と言う形を取っていました。
トヨタ、日産も同様の道を歩んできたという歴史もあり、守るべき線引などで参考になるのでないかと思います。