我々は民間ファンド
シャープや東芝の業績下降の記事を読むたびに登場する産業革新機構。民間ファンドとして資金を投入し、危機に瀕した企業を再生させてくれるわけです。
再生方法としては合併や買収、その過程で企業側にはリストラも当然要求してくるでしょう。
で、産業革新機構の過去の歴史を辿ると結構、お世話になっている企業があるんです。
産業革新機構が手がけたお仕事の数々
2003年に日立、三菱の半導体事業を一本化したルネサステクノロジ。液晶関連のソニー、東芝、日立を束ねたジャパンディスプレイ、そのJANパンディスプレイにソニー、パナソニックを加えた有機ELパネル会社のJOLEDなどなど。
こうして見ると日本の電機産業の再生に、産業革新機構が大きく関与していることがわかります。
海外では当たり前?
その昔で言えば、日本の半導体、液晶は世界ではトップクラス。我が世の春を謳歌していたのに2000年代に入ると韓国や台湾などの猛迫に会い、いつのまにか彼らの後塵を拝すことになりました。
というのも韓国や台湾はお国を挙げて、この産業の成長を支援していたわけで、そう考えると産業革新機構が介入して再生していくのも時代の流れから言って必然だったのでは?と思ってしまいます。
民間で勝負も限界なのか
シャープ再編に向けて液晶事業をジャパンディスプレイに統合という話が取りざたされています。
このジャパンディスプレイ立ち上げが今から5年前の2011年。立ち上げの際にシャープにも提携を持ち込んだようですが、当時の会長がきっぱりと拒否。当時はシャープの液晶は絶好調だったようで、提携しなくても十分やっていけると踏んだのでしょう。
その後は、韓国の勢いに防戦一方状態。ホンハイとの提携話など、液晶事業の取り巻く環境はどんどん悪くなっていきました。
加えて、中国のスマホメーカーとの商談では、シャープとジャパンディスプレイが競合する場面もあり、日本の産業を守るという大義名分はどこに行ったのやらという感じすらしましたが・・・
電気業界の救世主?
となると、官民一体にならないと世界の競合と伍して戦っていくのは非常に難しい時代に突入したのかなと。そう考えると国と民間をつなぐ産業革新機構が、日本の電機業界の未来を握っているのかと感じた次第です。・・・