どうだ、見たか。連結純利益1兆円突破
リーマンショックの後遺症が続き赤字に沈むという苦しい状況の中、2012年に就任した前社長の平井さん。火中の栗を拾うというのはまさにこの事。
当時は、やることなすこと散々叩かれ、味方とも言えるOBからも批判の声が飛び交いました。
それが今ではどうでしょう。利益額は1兆円を超え時価総額はライバル、パナソニックの4倍以上というのですから。
この状況に既に社長は退任していますが、平井さん的に、自分が進めた改革が間違いではなかったことを強く感じていることでしょう。
7700万人の個人情報流出でもブレずに突き進む
社長就任直後に、平井さんを襲ったのがプレステ会員情報の流出事件。サービス開始早々に、会員情報7700万人が流出。
損害賠償を求める集団訴訟が提起されるも「ネットサービスはソニーグループの最重要戦略。変更はない」ときっぱり。
今やオンラインゲーム全盛。SONYはその黎明期からサービスを開始し、2020年12月末時点で約5000万人弱。
あーだ、こーだと外野から非難の声が上がるも、信念を曲げずに育て続けたことが結果的に大きな果実をもたらしました。
2020年コロナ禍の影響もありゲーム需要が激増。ゲーム事業はこれまでにない好調っぷりで、オンライン事業がその中心を担っているとのこと。
マイクロソフト、グーグル、任天堂などなどオンラインゲーム市場は今や群雄割拠の時代。その中で10年前からサービスを展開するSONYは一日の長があります。
忘れてはならない、絶好調な半導体事業
ゲーム事業の好調っぷりが目立つ格好となっていますが、半導体事業の好調様もSONY復活に貢献したと言えるでしょう。
SONYの半導体と言えば画像センサー。多くのスマホに採用されておりますが、この成長を支えたのが攻めの投資の戦略。
平井さんからバトンを引き継いだ現在の社長、吉田さん。財務に詳しいこともあり、技術開発に力を入れるのはもちろん、東芝に所とした半導体製造ラインを買い戻したり、ルネサスエレクトロニクスから工場を取得したりと需要増に備え生産設備を増強。
この方もまた平井さん同様、機を見るに敏と言いますか、結果的にこの大型投資は成功。
画像センサー市場では金額シェアで現在も5割近くがSONY。さらにこれまで大口だったスマホから車載用へと納入先も広がりを見せている状況。
半導体事業、そしてゲーム事業がSONY復活に大きく貢献したことは間違いなく、それもこれも近年の社長さんの英断によるところが大きいと言えます。
次なる飯の種、エンタメ事業
ゲーム、半導体に続くビジネスとして有望視されているのがエンタメ事業。既にスパイダーマンなどの映画制作などをコンテツビジネスは昔から進めておりますが、この事業をさらに突きつめていこうというもの。
Netflix、Apple、ディズニー、Amazonなどこれまたコロナ禍で関心が高まるコンテンツ配信事業にSONYも参入の機会を伺っています。
EMIミュージックパブリッシング運営会社の子会社化にはじまり、スヌーピーの版権を持つ会社に出資したり、中国の動画配信サービス「Bilibili」に出資したり動画配信の準備を着々と進めています。
将来的にはゲーム事業とのシナジー効果を狙っているとも言われています。
18年に就任された吉田社長のライバルはGAFAとも取れる決意表明が、今振り返ってみると現実ものになるのではと思えてきます。
この先もさらなる成長を遂げてほしいと思った次第です。