福島の廃炉決定
2019年7月、東電が福島第二原子力発電所の廃炉の正式に決定しました。
これで福島県内の原発10基がすべて廃炉となりました。
とは言え、今後待っているのは長きにわたる撤退作業。
福島第一原子力発電所で約30-40年、第二原子力発電所は約40年と言われ、果たして生きている間に廃炉を見届けることができるのか・・・
震災後の稼働原発はたったの9基
この福島県内の廃炉決定により、国内の原発は21基。
このうち稼働しているのは9基にとどまります。
残りは稼働するまでに様々なハードルが待ち構えています。原子力規制委員会による安全審査であったり、テロ対策工事などなど。
これらが全て国が定める基準に達していなければ稼働もままならない。
審査にかかる時間、回収作業にかかる費用を考えると、そこまで原発にこだわる必要があるのかと思っちゃいますが・・・
特別措置で延命60年
そうこうしている内に発電機能を卒業する原発も出てきます。つまり40年縛りというもので、対象の卒業生は半数以上の15基。
そのほとんどが現役引退を余儀なくされる事態に直面します。こののっぴきならない事態を知ってか、政府では特別措置として60年まで延命させる法律を制定。
人間で言えばこれまで60歳定年だったのに、70歳まで頑張りましょうと。若い頃のパフォーマンスは発揮できるのかと疑問が残りますが・・・・
計画では原発20%と言うけれど
2030年には、これらのベテラン原子力発電所も含めて原発の発電量を約20%という目標を掲げています。
2017年度が3%を考えると実現にはかなりハードルが高い印象を受けます。
2030年より先の将来を見れば、60年の定年を迎える原発が大量発生します。
その時に新卒を入れるか、つまり原発を新たに作るかという問題に直面するわけですが、果たして国民の納得を得られるかどうか。
再生エネの発電量も疑わしいよ
では、原発に変わるエネルギーとして再生エネルギーに期待がかかりますが、こちらも原発の替わりになるかはまだまだパワー不足。
再生エネルギーも2030年度の発電量目標が設定されており、ほぼ原発と同じ20%の発電量。
この数値すら達成するのは難しいと言われる中、原発分を補える訳がない。
といった具合に日本のエネルギー政策はかなり混迷を極めている感じさえします。
行き着く所は火力発電なのでしょうか。環境問題とコスト的問題がクリアになれば現実的だとは思うのですが・・・