太陽光パネルがあちらこちらに
自然エネルギー買取制度が始まった頃は、あちらこちらで太陽光パネルを見かけました。
あの空き地も、この空き地も、ちょっとしたスペースがあれば金のなる木とばかりに太陽光パネルが設置されていましたね。
九州では申請者待ちという大盛況ぶりで、一時受付をストップしたほど。それも全て買い取り金額が高めに設定されていたから。
当時に比べると今では買取価格も下がり、あまり旨味のある商売に映らないのか、一時の勢いも沈静化。新設の太陽光パネルはあまり見かけなくなりました。
補助金頼みの自然エネルギー
そもそもこの買い取り価格のお財布は補助金。通常の電気料金に自然エネルギー代が上乗せされているんですね。
これを固定価格買い取り制度(FIT)と呼びます。国のこのような制度のおかげで、電源構成に占める再生エネルギーの比率は2011年度の10.4%から2016年度には14.4%と増加。順調に推移しています。
とは言うものの、比率が高まればそれだけ補助金額も増えるわけで、2018年度の試算では約2.3兆円にもなると言われています。金額だけを見ると相当な負担金額に見えます。
1kWhあたり2.9円。補助金分を除けば約20円。自分の家が1ヶ月50kWhなので、約45円の負担。
金額だけ見ると、さほど負担には感じませんが、2030年度には、2018年度比2割増しの負担になるとも言われています。
国民負担を軽減する新制度
このまま国民に負担してもらうのは忍びないということで、経産省が固定価格買い取り制度(FIT)に変わる新たな仕組みを立ち上げました。
簡単に言うとCO2の削減量を売買するというもの。
クルマの世界でも似たような制度がありますね。確か米国ではCO2に排出量が制限されていて、この制限を守れない場合は、他メーカーからCO2排出削減しましたよ券を購入するというもの。
テスラはこの商売でウハウハだというのを耳にしたことがあります。
イマイチ低調な新制度だけど・・・
電力の場合も、例えばCO2排出量の多い火力発電も、このチケットを再生エネ屋さんから購入することで相殺することができます。
ところが、早速、CO2排出権をオークションにかけましたが、イマイチ低調だったようで、入札企業は26社に留まり、用意した排出権の0.01%しか売れなかったという散々な結果。
そもそも最初の金額設定が高すぎたということが原因だったという声も。
とは言え、この仕組が浸透しけば、国民が負担しなくても再生エネビジネスが回ることとなり、持続可能な事業として成立可能性は大ですね。