憧れの家賃収入
会社勤めが終わったら、アパートの家賃収入で生計を立てるという夢を描いていましたが、現実はそう簡単な話ではなく、借金を背負うということもあり社会問題になりつつあります。
その仕組みがサブリース契約というもの。
これがオーナーにとっては素晴らしく魅力的なサービスなのです。
管理は業者任せでラクラク
サブリース契約とは、アパートを建てて、それを丸ごと業者に買い取ってもらい、入居者募集やら管理など全てを業者側で賄ってもらうというもの。
契約期間は10年が一般的で、その間は空室であろうと家賃収入は保証してくれるというもの。
オーナーは一切の手間から開放されて、家賃だけがチャリンと入ってくる仕組み。その収入からアパート建設費を支払ったり、自身の生活に当てるというわけです。
ところが10年でアパート建設費を完済することは無理。けど、契約期間は10年。つまり10年目以降が非常に大変なんです。
10年過ぎたら危険信号
このサブリース契約を結んだある夫婦のお話でいくと、父親の相続税対策と老後のことを考え、約2億円の借金をしてアパートを建設。
当初は、家賃収入で何とか生計を立てることができ、当初の目算どおりに行っていましたが、10年目を堺に事態は一転。
家賃を2割引に引き下げるかサブリース契約を打ち切るかを迫られました。家賃値下げは入居者が集まらず、それまで業者が何とか負担をしていましたが、それが行き詰まってきたのでしょう。もしくは10年目以降に損した分を取り返せすと考えていたかもしれません。
契約は10年と両者は合意していたのでトラブルには起きにくいと大思うのですが、10年という歳月となると、何を今さらとなるのでしょう。
結局、こちらの夫婦は、別の業者と再契約を選択。が、こちらの業者が行方不明となり、家賃収入も先細りそれまで管理などしたこともなくアパートを手放し、自己破産。今では生活保護を受けながら暮らしているようです。
住宅ローンも厳しく
このような事例が増えてきたこともあり、お金を貸す側の銀行なども今までに比べると審査を厳しくしています。
年々、この手の融資が増えていることを考えると先に上げた夫婦のように借金を背負う羽目になる予備軍はかなり増えることが予想されます。
そもそも入居者ってそんなにいるの?
この仕組が上手く回らなくなったのも、空室率の増加を挙げられます。人口減がこのような所にも影響しているのでしょう。
となると、サブリース契約という仕組みも今後も見直しを迫られるのでしょうね。