住宅市場の振り返り
現在の社会問題となっている空き家。2018年の総務省の調査によれば、空き家の数は849万戸。それが2030年になると2倍以上の約1800万戸に達するとも言われています。
日本の住宅市場は、戦後間もない頃は逆に供給不足で、国が積極的に関与し、公社などを通じて住宅を供給してきました。そのかいもあってか、1973年には住宅総数が世帯総数を上回るまでに発展していきました。
で、この勢いは留まることを知らず、供給過多とでもいいましょうか、在庫がどんどん積み上がり、今に至るという訳です。
積み上がった在庫解消の切り札。中古住宅
この状況はまずいでしょうということで、住宅業界では、在庫の再利用、つまり中古住宅の販売に力をいれるようになったのです。
CMで有名な三井のリハウスもその取組の一つでしょう。
さらに中古市場に朗報とも言えるのが新築価格の上昇。あまりに高すぎるということで、中古住宅を検討する層が増えているとか。
これまでは、中古住宅は敬遠されがちですが、メルカリなどの中古品流通の普及などもあり、昔ほど抵抗感がなく、受け入れられやすくなってきたようです。
新築戸建ての半額?恐るべし中古住宅
中古住宅の開発・販売で勢いに乗るカチタスでは、そんな市場の追い風を受けてか、直近の業績は絶好調。2022年3月期には約6000戸を販売しました。
地方を中心に中古戸建てを販売しており、平均価格は地方圏で1500万円と新築戸建ての約半額だとか。
壁紙の張替えはもちろん、畳やカーペット、フローリングの張替えなど、時にはキッチンの位置を変えるなどの大がかかりなものも手掛けています。
ここまでして、コストを抑えることもができるのも、資材メーカーや施工会社に向けて大量発注や安定的な発注を行っているから。
今後は、都心部にも販売エリアを拡大し、2031年には1万戸の販売を目指しているようです。
課題は中古住宅の信用力
空き家問題解消の一助となる中古住宅流通の活性化ですが、さらに活性化していくためにも、品質を保証してくれるような認定制度が導入されています。
大金を払うのだから、購入後にトラブル続きのお家はごめんと考える人も多いハズ。
リフォーム会社がウチに任せてもらえれば安心とは言っても、どうも信用できません。
そんな声があるのを知ってか、国交省が認証制度を設けました。その名も安心R住宅。
認定されるために下記の条件が必須とのこと。ここまで揃っているのであれば安心です。
- 新耐震基準への適合
- 既存住宅売買瑕疵保険の検査基準に適合
- リフォーム工事実施済み
- 現行写真の閲覧が可能
- 分かりやすい情報開示
- トラブル時の相談窓口の確保
課題は、ここまでの条件をクリアするに相当の金額がかかり、販売価格に反映した際、お客が受け入れてくれるかどうか。
安心はただではない。ということを考えると致し方ない気はしますが・・・。