小さな成功体験を積み重ねる
DXを導入すると言っても、使い手となる社員の賛同を得られなければ成功に導くのは非常に厳しい。
ということで、彼らがDX化して良かったという体験をできることから初めて、DX化をうまく軌道にのせたのがクレディセゾン。
コールセンターで日常的に使うマニュアルにメスを入れ、使い勝手をよくすることで社員に向けてDX化の良さを実感してもらったとのこと。
この他にも、対顧客向けの大型キャンペーンにもDX活用。顧客向けということもあり、多くの社員にメリットを実感してもらうことができたとのこと。
このような規模は小さいながらも成功体験を積み重ねることで、DX化っていいかもという信用が醸成されるとのこと。
その後に待ち構える大規模なDX、例えば事業部ごとのシステムを統合したシステムの導入も、従来に仕組みに固執することなく、スムーズに移行できるようです。
外注もいいけど、中にも目を向けてみたら
DXとなると、その道に精通したシステム屋さんに依頼というのが一般的ですが、内製化して成功した企業もいくつかあります。
例えば、JR西日本の場合は、社外社内向けに、あるシステムのコンペを実施した所、大手ベンダーがひしめく中、中の人数名が上位に食い込むことができました。
このように、社内に埋もれている貴重な人材をコンペという形で吸い上げるというのは素晴らしい仕組みだと思います。
こうして、DX化に貴重な戦力の内製化に成功。さらに育成にも力を入れ、システム関連会社に出向させて、さらに能力に磨きをかけてもらっているとか。
今では、DX部隊は200名ほどの大所帯となり、内製化を成功させた企業と言ってもいいでしょう。
強力なパトロンなしでは、成し得ないDX
DXに限る話ではありませんが、新規事業となると、抵抗勢力も多く、なかなか事がうまく進まないのはよくある話。
が、これが社長直轄部署となると話は別。反対する勢力には、錦の御旗をかざして、社長の意向ですからと言えば、相手はすんなりと白旗をふることでしょう。
逆に、社長の理解を得られないとなると悲惨です。当初は味方だと思っていたのに、プロジェクトが佳境を迎える頃に翻意して、ハシゴを外されることもあるとか。
これまで頑張ってきたことが水泡に帰し、我が社のDXも実現することなく闇に葬られてしまうのです。
DX化を成功させるには
業務効率化を狙い、DX化するわけなので、中のことに精通した中の人が担当した方が良いのではと思いました。
もしくは外部の方と対等に話ができる人を育成するとか。とかくIT系の方のお話は全く何を言っているのかチンプンカンプン。これを翻訳できる人材が言れば、外部スタッフに対して、的確にやりたいこと、その技術はペケ、そのロジックはおかしいと言えるはずです。
とかくソフトウェアの導入に走りがちなDXですが、人材育成がまず先ではと思った次第です。