端末情報で割引率が異なるって大問題でしょ
ウーバーなどでお馴染みの配車サービスを展開する中国のデイデイという会社。国内ではトップシェアと呼べるほど広く中国国内で利用されていますが、手配されるクルマが手持ちのスマホによって異なるというのっぴきならない事態が明らかになりました。
ある調査チームがiPhoneとAndroid端末を使い、このサービスを使った所、iPhoneユーザは高級車が多く、Androidでは普通車が多いという結果が出たとのこと。
この調査が結果が公表されると、中国国内から批判の声が相次ぎ、「常連客殺し」という厳しい声も飛び交うことになりました。
端末に応じて配車するクルマを変えるという手法は、端末情報がデイデイ側に流れているというもの。これ自体は珍しくない話ですが、情報を取得できる優位的立場を使って恣意的にサービスを行っていたことが問題だったのでしょう。
当局側の目に留まり、即呼び出し
この状況を重くみた中国当局は、すぐにデイデイ関係社を呼び出し指導。
上場を控えていたデイデイにとっては、痛いお灸を吸えられたようで、データ保護を改善するまで上場はダメだよと言われる始末。
中国当局としても、国家機密情報を海外に流出されてしまたら困るという想いが働いたとも言えます。
他にも、デイデイ以外のプラットフォーマーに対する見せつけという側面もあったのでしょう。ビッグデータを自社の良いように使うわないでねと。そんな事したら業務停止、上場廃止もありえますよと。
ようやく個人情報保護法施行。中国
えっ、今頃?と驚いてしまったのが、中国の個人情報保護法の施行が2021年になって施行されたというもの。
これもプラットフォーマー対策も含まれているのでしょう。
中国のITがものすごい勢いで広がりを見せたのも、個人情報が海外に比べ緩く、国民もそこまで神経質でなかったから。
アプリのサービスを利用する際は、日本のマイナンバーサービスみたいな「身分書番号」なるものを登録し、メールやチャットなどで気軽に他人に伝えられているということ。
まず、遅々として進まない日本のマイナンバーサービスが、中国ではほぼほぼ国民の大半が普及しているというのは凄いことです。
日本も個人情報保護法が施行される前に、マイナンバーサービスを導入していれば今とは異なる結果となっていたことでしょう。
こうして中国でも個人情報に対する意識が高まっていくことでしょう。中国当局も当然、プラットフォーマーの個人情報の管理には厳しい目を向けてくるのは確実。
これまでのビジネスのやり方を変えていく必要が出てきそうです。