巨大な装置産業なんです。携帯屋って
携帯会社の設備投資の8割は基地局などの通信網づくりとのこと。
てっきり全国に広がる携帯ショップのハード、ソフト面かなと思いましたが、こらは代理店となるので、別会社なんですね。
となると、携帯会社というのは巨大な装置産業で、大規模な設備投資をいかに継続して進められていけるか、ある意味体力勝負といった所でしょうか。
これを知り、ドコモがなぜ繋がりやすくて、KDDI、ソフトバンクは繋がりにくいのか説明がつきます。要するに基地局の数がモノを言う世界なんですね。
後発組には厳しい業界
となると、ゼロから通信網づくりをする新規参入組はとんでもなくハードルが高くなる。
他社はこれまで数十年かけて基地局を整備してきたわけですが、新規参入はそれと肩を並べる位に基地局を設置していなければなりません。
ボーダーフォンから基地局を譲り受けた格好のソフトバンクは、ある程度の通信網が仕上がった状態で参入したからまだまし。それでもサービス開始直後は繋がりにくいと酷評されていました。
楽天の場合は、ソフトバンクよりもさらに厳しい条件。基地局をゼロから構築していかなければならない。
とりあえず大都市圏だけ設置したものの、それでもサービス開始時期を遅らせる羽目となり、いかに携帯ビジネスが大変かが伺いしれます。
他社に先駆け仮想化技術を導入
これまで通り他社と同じことをしていては、追いつくのは到底無理。
てなわけで、楽天が導入したのが仮想化技術というもの。
この技術、平たく言えばハードとソフトを別々にして技術のことを指し、設備投資で40%、運用コストで30%削減が見込まれるというもの。
しかも5Gへの移行もスムーズだとか。
一方、ドコモ、KDDI、ソフトバンクはハードとソフトが一体になったもの。世界の通信機器メーカーの約8割がこの方式で、ある意味、デファクトスタンダードと言ってもいいでしょうね。
他社は様子見だけど・・・
楽天が推進する仮想化技術ですが、他社も将来的な必要と認識しているものの、なかなか手が出しにくいというのが実情のようです。
ソフトバンクの中の人いわく、「うちでまだ使えないと判断した」とのこと。
何を持って使えないかの詳細は明らかにされていませんが、一説によるとサーバーの負荷が高く、膨大な熱が発生しているとのこと。
結果、電気代も相当かかっているのではと言われています。
通信品質を維持していくためにも、サーバーを増設し、1台あたりの負荷を軽減していく必要に迫られるかもと言われています。
逆に業界をリードするかも楽天モバイル
といった具合に、他社に先駆けて仮想化技術を導入したものの、これからは、そのトラブルをひとつひとつ潰していく作業がついてまわってくるでしょう。
が、これが楽天モバイルのノウハウとなり、他社に技術提供するということにもつながっていきます。
いつか国内3社が楽天に教えを請う時代がくるかもしれません。
それまで楽天モバイルが生き残っていることを切に願うばかりです。