合同会社の先駆け。ルネサス
様々な企業が統合して設立されたラピダスですが、過去にもこのような形態が見られ、大きな成果を上げることなく消えていきました。
ルネサスもその1社ですが、2010年に日立、三菱電機、NECが統合され、2013年には産業革新機構のお世話になってしまい、エルピーダーの二の舞いかと不安に感じたかも多いはず。
ところがどっこい、赤字体質から見事復活し、業績も絶好調のようです。
理由はウィニング・コンビネーション
ルネサスを復活に導いたのがウイニング・コンボネーションという営業手法です。
それまでは製品単体売りがメインでしたが、周辺製品も一緒に売り込む提案型営業に切り替え、これが大当たり。
中の人いわく、「開発期間やコストを3割減らすことができた」とのこと。
2022年12月期の売上高は約1兆5008億円。2017年に比べ18ポイントも上昇。今ではウィニング・コンビネーションの受注比率も50%を超え、ほぼほぼ提案型営業が定着してきた感じがします。
2023年もさらに売上高アップが期待できます。
ロジック半導体だけじゃないよ、パワー半導体もあるよ。
半導体にも色々と種類があるようで、ラピダスの手掛けるロジック半導体は、AIなどに使われる高性能モノ。一方、パワー半導体はクルマなどに使われ、今は普及製品といった所。
このパワー半導体の世界で、シェア上位10社の中で、日本は4社もランクイン。これだけ見ると日本の半導体もまだまだ世界と伍して力を持っているとあらためて気付かされます。
パワー半導体のローム
パワー半導体の世界で今注目を集めているのがローム。シェアでは東芝、富士電機の後塵を拝しているものの、次世代型の半導体を開発している事から将来性が期待されています。
パワー半導体の素材はシリコン製が主流ですが、素材に炭化ケイ素を使用するのが次世代型半導体です。
価格はシリコン製の数倍ですが、電力効率が高く、あのテスラのモデル3にも採用されたとか。テスラの採用もあってか需要が急増しているようです。
今現在、ロームの炭化ケイ素版パワー半導体のシェアは10%弱ですが、これを数年後には30%にする野心的な目標を掲げています。
そこに向けて、東芝と提携したり、国からの補助金を引き出したりと着々の目標に向けた活動が行われています。
半導体御三家となるか
日本の半導体を語る上で、キャッチーなものがあるとより世界と戦いやすいと思います。
ロジック半導体のラピダス、まるごと営業のルネサス、パワー半導体のローム。
この3社を持って、日の丸半導体の御三家と内外に発表すれば、少しは半導体業界も盛り上がるのではと思った次第です。
とにもかくにも過去のように、日本産半導体の存在感を示してほしい