農業もDXの時代。成功報酬型、スマート米

IT業界

ドローンで農薬散布はよく聞くけど

ドローンが世に出た時に、その用途について色々と紹介されました。道路やトンネルなどの人の目が行き届かないような場所のチェックであったり、空撮用の映像、そして農薬の散布などなど。

農薬散布については、これまでの人力に変わり、時間や負担が大幅に減るということで期待されており、既に実用化されている農家さんもテレビで紹介されたりしています。

実際に導入を考えてみたけど、コストがね・・・

農薬散布クラスともなると、それなりの大きさが必要となるドローン。当然金額も高めとなり、1台当たり200-300万円台だとか。

高額な商品ということもあり、複数の農家でシェアする形で購入する人ようですが、農薬散布も米の生産期間で考えるとごくわずか。それだけのためにドローンを導入するのはどうよ?ということで導入を躊躇するケースも多いとか。

そんな悩ましい農家の声に応えたのが、今回紹介するスマート米です。

生産米を買い取るという新たなマネタイズ

スマート米の仕組みは、ドローンを無償で貸与し、収穫した米で相殺するというもの。

この仕組を提供するのがオプティムという会社。ドローンによる効率的な農薬散布により、薬剤や化学肥料を抑え、残留農薬不検出という付加価値の高いお米に目をつけ、スマート米という形で、アマゾンや楽天、自社ECサイトなどで販売しています。

このマネタイズに至った経緯は、ネットで当たり前となっている成果報酬に着想を得たようで、目のつけどころが素晴らしい。アナログ的に考えれば、クリーニング屋が洗濯代をもらう代わりに工場の制服代を肩代わりする仕組みと言ってもいいでしょう。

思いつきじゃないよ。緻密に計算された仕組み

お米を買い取ることでドローン代を回収するという素晴らしい仕組み。そこには緻密な計算なされており、農家の負担という面を考えたとか。

例えばドローンを購入するとなると、7年間の減価償却や保守費用を勘案すると年60万円の出費。収穫したお米の儲けはいち農家あたり約200万円。となると、儲けの1/3は稼働率の低いドローン代で消えてしまう。

ということを考えると、ドローンを販売するという仕組みには限界がある。ということで、お米買取という形に至ったのでしょう。

農家にしてみれば、買い手が決まっているのですから、安心して収穫もできますし、加えて負担も軽減されるし、良いことづくし。

このような収穫物買取式によるDX化は、他の農作物にも十分転用できると思います。成功報酬型のビニールハウスや耕運機、トラクターなどなど。

農業のDX化で、あらたな商売がさらに広がる予感がしました。

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