待たれる。コロナ治療薬
コロナ感染が収束しても、第二波、第三波の不安は拭えそうにもありません。
お隣韓国でも収束後にクラスターが発生しているし、中国も海外からの帰国者により感染者数が増えたなんて聞くと、感染ゼロは現状では難しいのでしょう。
となると、予防薬または治療薬の早期導入が待たれます。
ゼロから作れるとなると数年後
とは言え、新規開発となると実用化は数年後。何度も臨床試験を繰り返し、いくつもの関所を通過。人命にかかわることですから、慎重になるのも無理はありません。
ので、目をつけたのが既存の薬を転用するという動き。既存薬であれば既に安全性は証明されているため、 承認のハードルも新薬に比べ低い。 コロナ治療薬として使用するにも新薬ほど時間がかかりません。
エボラ出血熱治療薬が効果あり?
で、今期待されているのがエボラ出血熱の抗ウィルス薬として開発中のレムデジビル。
厚労省は2020年5月7日に申請からわずか3日と異例のスピードで承認しました。
こちらの薬、既にコロナ患者に投与した結果、10日間の投与で回復までの期間が31%早まったり、医学的有意差が認められるものではないものの29日後までの死亡率も改善傾向が見られたとか。
どのような副作用が出るか不安な中、この試験に協力していただいた方には本当、頭の下がる思いです。
副作用は承知の上で承認
実際に163人に投与した結果、肺炎や敗血症が2例、急性腎傷害6例、腎不全4例が確認されました。
といった副作用はあるものの、厚労省はこの薬を承認。人命には変えられないという判断なのでしょう。
で、この薬、すぐに使えるというわけでもなく、これから日本に輸入されるというもの。
とは言え、開発元の米ギリアドは全世界が対象であり、日本にいつ入ってくるか全く明確になっていません・・・。
期待される純国産、アビガン
米ギリアドによるレムデジビルの他にも、様々な企業で既存薬の転用試験が進められています。
国内でも富士フィルム富山化学がインフルエンザー用に開発したアビガン。
試験では、軽・中等症の9割、重症者の6割で改善に向かったとのこと。比較試験ではないため、改善の理由が薬によるものかわからないですが、早ければ6月にも承認されるとも言われています。
国内で生産された薬ということもあり、レムデジビルよりも早く医療機関で使用されるかもしれませんね。
一日でも早くを切に願う・・・
全世界でコロナの治療薬が開発されています。こういった時に国が主導して特例で承認手続きを早めたりするのは素晴らしいこと。
一層のこと、医薬企業同士の共同開発なんかも後押し、例えば試験情報の共有などサポートしてくれると、もっと導入が早まるのではと思った次第です。
営利目的は重々承知済みですが、そこは異常事態ということも踏まえ、柔軟に対応して欲しいと身勝手な思いを述べてみました。