見てるだけは今は昔
店頭に行くと呼んでもいないのに「何かお探しですか」と親切心でつきまとう店員。
人によってはおせっかい極まりないこの行動。そんな気持ちを代弁するかのように昔のCMで「見てるだけ」というのが流行りました。
それから数十年がたった今、ショールーミングという言葉が出現。店頭で欲しいモノを物色して、買い物はネットでという購買パターンが半ば定着してきました。
そのような行動パターンを受け入れる店舗も登場し、家電専門店では、プライスカードにQRコードをつけてネットの価格を確認できる、はたまたネット経由で購入できるという消費者にとって大変ありがたいサービスへと発展していきました。
これをさらに突き詰めたのがユニクロ、正確にはGUのショールミング店舗
販売はしません。試着に特化
この店舗が凄いのは、洋服の販売は一切しないという点。販売しないのはもったいないという声を一切断ち切り、本当の意味でのショールーミングを実現したこと。
仕組みはこんな感じ。まず顔写真を撮影して、店内の液晶画面に様々な洋服を着た自分が出現するというもの。コーディネートもお任せ。まるで着せ替え人形のごとく次々と洋服が変わる自分が映し出されていきます。
自分では気づかなかったこんな服も自分に合うかもといった発見も十分考えられます。
気に入った服があれば、その場で決定。QRコードが出現してアクセスするとネット経由で購入できる。
在庫を持たないメリット
このショールミング型店舗のメリットと言えば、在庫を多く持たなくて良いこと。在庫を持つということはまず管理にさく人間も必要ですし、品出しやら棚卸し、在庫管理などなど付随する業務がてんこ盛り。これらが一切ないというのは店舗運営コストが大幅に削減できます。
加えてモノを置くスペースも大幅に削減でき、小スペースでも出店が可能。
極端な話、キヨスクレベルのこじんまりとした店舗も出店できるのではないかと思います。
実現できた背景には物流改革
そもそも、ショールーム型店舗はアパレル業界では広く検討されていた話。
けど、オーダーを受けてから納品までの時間がどうしてもかかってしまうというとうことで断念するケースが多かったようです。
が、ユニクロの場合、翌日配送を可能にする物流改革を行ったことで、この課題を解決。
晴れて、ショールーム型店舗を実現できたというわけです。
今後、ネット経由の販売比率を増やしてく目標を掲げていることから、ショールーミング型店舗が増えていくこと間違いないでしょうね。