レナウンが教えてくれたこと

アパレル流通業界

まさかのレナウン倒産

コロナ禍による倒産が相次ぐ中、世間の耳目を集めたのがレナウンの倒産。

まさか大企業でさえコロナの前には為す術もなしとは・・・。

そもそも2019円12月期まで2期連続で赤字続きと深手を追っている中で、コロナが襲ったという不運はありましたが、遅かれ早かれ倒産の憂き目を逃れることはできなかったでしょう。

経営権は親会社にあり、思い通りの経営ができない。しかも同じグループ会社への売掛金がかなりの額に上るというもの。

本来なら親会社が仲裁に入り、問題解決に動いてくれるはずなのに、全く動いてくれない。これもある意味、レナウン倒産を加速させたと言ってもいいでしょう。

ワンサカ娘で一世を風靡したけど・・・

レナウンと言えばワンサカ娘のCMがあまりにも有名。日本の代表するファンションメーカーとして、名前を聞けば、ファッションと会社と誰もが早期するほど世に知られる会社です。

ホームページに日本のファッションの歴史はレナウンの歴史と言われているように、確かに日本のファッション歴史そもそも。

僕らのお父さん世代には大人気だったアーノルドパーマは、あまりにも有名。

1990年には英紳士アクアスキュータムを買収し、世間をあっと言わせ、さらに会社の株を上げたレナウン。

そのレナウンが倒産とは、栄枯盛衰とはよく言ったものですが、その高低差にはただただ驚くばかりです。

他社に比べ低すぎるEC比率

残念な親会社の元、経営を強いられる不運はあったものの、倒産の原因としてECチャネルの不振がる声もあります。

アダストリアの場合、EC比率は21%。オンワード樫山が17%、TSIホールディングスが21%と2ケタの比率の中、レナウンはわずか3.2%。

他社に大きく水を空けられています。で、頼みの綱と言えば百貨店などの販路。こちらが6割弱を占め、コロナ禍でほぼ全滅。4月の売上が対前年比80%減という惨状を招くことになりました。

一方、EC比率の高いアダストリアは約70%減に留まり、明暗分かれる結果となりました。

とは言え、取組は進めていたんですが・・・。

2018年にはスーツの月額定額制の貸し出しサービスや2019年秋には婦人向けのECサイトを立ち上げ、どちらも好調。

今後さらに拡張していこうという矢先にまさかの倒産。

この取組がもう少し早く始まっていたらと思うと残念になりません。

過去の成功体験が邪魔をした?

それもこれも過去の成功体験が邪魔をしたという声が。

サイズや色味など、実際に試着してみないと衣類はぺけ。ECでの販売は難しいと決めつけてしまった所に問題があったのでしょう。

ネット黎明期であれば、確かにこの手のネガはありましたが、今やネット技術は飛躍的に進歩しており、そこを見誤ったのかなと。

とにもかくにも新しい親の元、レナウンの復活を切に願うばかりです。

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