過剰在庫で経営を圧迫
アパレル業界を悩ます在庫問題。これまでアパレル業界では売れ残ったらセールで一気に在庫処分というの通例でした。
あるいはブランドイメージを毀損する場合は、スタッフの知り合い関係に売りさばくファミリーセールなどなど。
どの会社も、右にならえでしてきてもんだから問題にはなりませんでしたが、次第にこれが経営を圧迫する負の遺産になりつつあります。
アパレルの市場規模は2011年から2016年には1%減少。利益率も1.47%から0.64%に悪化。この不振は過剰在庫が原因とも言われています。
多店舗展開ならではの悩み。在庫問題
特に頭を悩ませているのは多店舗展開する会社。各お店でそこそこ在庫をストックしておかないと機会ロスが生じてしまいます。
ので、店舗間でスムーズに在庫を融通し合うなどの対策を講じている会社もありますが、根本的な在庫削減の解決にはなっていないのが実情でしょう。
ZOZOTOWNが羨ましいよ
そう考えると、在庫を1箇所に集約できるネット通販はリアル店舗に比べると在庫問題は、さほど負担にはならないのかなと。
ZOZOTOWNが価値組であるのもうなづけます。
アパレル市場全体で見ると、ネット通販の規模はまだ1割ということで、伸びしろは十分。
大手アパレル会社もネット通販に本格的に乗り出していますし、今後さらなる規模拡大が予想されます。
在庫20着。けど、47万通りの試着が可能
とは言え、このままネット通販に客を奪われるのは見逃すことはできない。リアル店舗の意地とでも言いましょうか、在庫を持たずに商売をするという取り組みが広がりを見せつつあります。
それがバーチャル試着という新サービス。GUでは、ディスプレイ上に自分の顔が映し出され、着せ替え人形のごとく試着が画面上で楽しめるというもの。
他にも総合繊維メーカー「セーレン」でも、バーチャル試着を展開。画面上に自分にそっくりさんのアバターが表示され、約47万通りの試着が楽しめるというもの。店舗在庫が約20着しかないというのですから、在庫問題もこれで解決するのではないでしょうか。
洋服の買い方に変化はあるのか
洋服の買い物は、ある意味、非日常体験感があり、どこかワクワクするものでした。
ところがネット普及で、情緒的な価値よりも利便性重視の方向に変化している感じがします。
再び、リアル店舗での買い物体験をよりワクワクさせるものにするためには、バーチャル試着はありなのかなと。
個人的には個室化されている方が望ましいですが・・・。試着している様子を周囲のお客さんに見られるのはちょっと恥ずかしい気もしますので・・・