余剰人員をどうするかが、そもそもの話
1987年に国鉄からJRとなり民営化がスタート。当時のJR九州はそれまでの従業員数約27000人から、15000人と大リストラしての民営化でした。
が、まだまだ余剰人員はおり、その数はなんと3000人。その数だけでももう1社できるくらいの規模。
頼みの鉄道事業は赤字の状態
。ならば違う商売をして、浮いている3000人に仕事を与えようということで、多角化経営に乗り出しました。
不動産から旅行業と幅広く
とは言うものの、国鉄時代の非鉄道業と言えば外食産業位。
ノウハウなど何もない状態から、不動産、旅行業、広告業と業種の幅を広げていきます。
この30年前の取り組みが今となっては花開き、他のJR会社から一目置かれる存在になったわけです。
どの会社も非鉄道業を伸ばそうと思っても、なかなかこれが一朝一夕には行かない。
JR九州もそれまでの道のりは苦難の連続でした。
失敗の数は山ほど
JR九州の非鉄道業の成功の裏には、数々の失敗事業があります。
自動車販売業であったり、銭湯の経営などなど。
多額の投資をしたにもかかわらず撤退という憂き目に
が、ここが萎えないのがJR九州の凄い所。切り替え力がすごいというのか、ダメだったら次という潔さ。失敗でも得るものはたくさんあったとプラス思考で、どんどん多角経営を加速させていきます。
このチャレンジ精神は、ホント見習うべきところだと思います。
本気度が違う
例えばドラッグストア事業に乗り出した時などは、エース級の人材を送り込むほどの徹底ぶり。
この事業を成功させるぞという覚悟さえ感じます。
従業員も、そんな姿勢に共感し、仕事に対するモチベーションも上がるのでしょう。
多角経営は止まらない
今でこそ、分譲マンションやらホテル経営などで、多角化経営の核となる商売ができました。
本来なら、そこで事業拡大の手を緩めるのかと思いきや、今度は農業ビジネスにも参入。
荒れた農地を見て、これはいかんということで、始めたビジネス。ある意味、地域新興というCSR的要素も含まれています。今はまだ赤字状態ですが、今後伸びるビジネスということで期待されているだけに今後の展開が楽しみ。
JR九州ブランドの野菜が全国に出荷されることもそう遠くない話になるかと思います。
まとめ
ここまでJR九州の多角化経営の成功事例に触れてきましたが、たとえ赤字だろうと生活インフラを閉ざすことは地域住民に迷惑をかけてしまう。
ならば、その赤字を他事業で補填してトータルで利益を上げていこうと。
赤字続きでも守らなければならいものがあるメーカーの強い意志みたいなものを感じました。