開催国選びに見るFIFAの戦略
フランスの優勝で幕を閉じた2018年のワールドカップ。これで寝不足から開放されてホッとしている半面、ちょっぴり寂しさを感じてしまう。
4年後は中東のカタール開催ということで、相変わらずマイナーな感じがしますが、これ全てFIFAの戦略にのとったもの。
2010年の南アフリカ開催に始まり、2014年のブラジル、2018年のロシアと新興国を開催地に選んでいます。
オリンピック委員会(IOC)では、これらの新興国での開催地はありません。
FIFAとしては、開催国を新興国に広げることで、より多くのファン層を開拓し、放映権料に結びつけようという考えがあるから。
ロシア大会は大成功。ブラジルの約5倍
2015年に不祥事が発覚したFIFA。欧州のスポンサーが撤退を表明し、減収が懸念された中、蓋をあけてみれば、ブラジル開催の約5倍の収入、約6700億円を得ました。
この大きな要因はチャイナマネーの流入が挙げられます。
悲願の中国スポンサー獲得
これまでもFIFAは積極的に中国スポンサーへの働きかけを行ってきましたが、2018年でその活動が一気に花開いたと言えます。
大口スポンサー20社のうち、中国企業は7社。総額約900億円。スポンサー収入の35%に達しています。
2位の米国企業のスポンサー料を2倍以上引き離しているのですから、中国企業さまさまと言えるでしょう。
確かに試合中の看板には見慣れない漢字名の企業広告をやたらと目にしました。
企業側にとっても世界ブランドとしてアピールにしていくには、ワールドカップはうってつけ。
お互いの利害は一致したと言えるでしょう。
次なる手は大本命
そして今から約12年後の2030年の開催地は中国になるのでは?と囁かれています。
しかも出場国は現在の32カ国から48カ国に拡大するという噂も
より多くの国チャンスを与えるとのことですが、収入増を狙っているのは明らか
中国開催であれば時差もさほどないため、ゴールデンタイムの放送も十分に考えられ、ロシア大会のように真夜中に試合観戦するという辛さはないのでホッとはしていますが・・・
膨張するFIFA
一方で、今回のような過密日程も問題になっていることは確か。
出場国が増えればプレイの質の低下も懸念されています。
クラブチームとの調整もありますが、もう少し選手への思いやりある日程を考えて欲しいものです。
中3日で決勝を戦ったクロアチアが不憫でなりません。
もっとフレッシュな状態であれば後半はガス欠することなく試合結果もまた違ったものになっていたかも
この雪辱はぜひともユーロで果たしてもらいたい。頑張れクロアチア