それぞれの正義。「1987 ある闘いの真実」

1987年 ある闘いの真実アジア映画

1987ってつい最近

軍事政権下の韓国で実際に起きた事件。一人の大学生の死をめぐり政府の隠蔽を国民、マスコミ、検事が一丸となって事実を白日に基にさらし、韓国民主化のきっかけを作ったというお話

1987年と言えばつい最近の出来事。こんな事が国が主導して行っていたことを思うと、今の世の中は相当正常化されたんだなと感慨深いものがありました。

国家権力に立ち向かう検事

1987年当時は、国の権力が絶大。検事さえも明らかに黒の事件でも、お上からの指示があれば白にせざるを得ない。

本作品では国の警察が取調べ中にある大学生を激しい拷問により死に至らしてしまう。急ぎ医師を呼び蘇生を図ったものの残念ながら生き返ることができなかった。

警察としては拷問による死が世間にバレるのはまずいと思い、検事さんに嘘の承諾書を書くよう指示。

いつもなら素直に従う検事さんも、積りに積もった政府のやり口に我慢ができなかったのでしょう。この申し出を突っぱねて死因のきっちりと調べかてから承諾書を書くと。

これが導火線となり、マスコミ、そして国民へと真実を話せ運動が各所で行われるようになるのです。

1987年 ある闘いの真実

マスコミも義憤に駆られ

マスコミも事なかれ主義の多い中、この一件を検事から入手し、ある新聞社はこの事件を大きく報道。

政府を引きずり出すことに成功します。

政府の公式発表では、死因は心臓発作

あまりにも遺体の様子とはかけ離れた内容で疑惑がさらに深まっていきます。

1987年 ある闘いの真実

国民も黙っちゃいないよ

この一件、聞きつけ国民によるデモ活動も活発化。街では政府と学生デモとの衝突が各所で行われるようになりました。

このデモをきっかけに、政府は真実を発表し、拷問による死亡を認め、2人の刑事を容疑者として逮捕します。

が、逮捕された刑事もこの処分には納得がいかず激しく抵抗します。拷問時に足を抑えていただけで、主犯格ではないと主張。

が、警察を取り仕切るボスに家族の命はどうなってもいいのかと脅され、渋々承諾することとなったのです。

1987年 ある闘いの真実

梯子を外された親分の悲哀

容疑者逮捕で、本件を収束されるかと思いましたが、国民は、まだ公表されていない事実を話せとデモをやめる気配は全くなし。

容疑者にまつりあげられた刑事さんと接触し、事の真相を得ることに成功。

結果、容疑者の追加逮捕に加え、警察のボスも逮捕。

これまで政府のため組織のために八面六臂の活躍を見せたボスも、政府の梯子を外しを受け刑務所へ。

この警察組織も解体されたんでしょうね。

1987年 ある闘いの真実

民主化に向けて

ということで、一人の大学生の死をめぐり、正義のために立ち上がった多くの国民により真実が明らかとなり、民衆化の道を開くこととなったのです。

身の危険を知りながら命がけで権力を闘う姿に、ものすごい勇気を感じたと共に正義はいつの時代も、ものすごいパワーをもたらすものだと感じました。

1987年 ある闘いの真実

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